お菓子を貰えるイベントだと聞いて


「トリック·オア·トリート」

「あ?」

ボンゴレ本部にある自室に突然現れたマーモンとその発言にリボーンは首を傾げた。

「ハロウィンだからね、お菓子だけもらいに来たよ」

「トリック…あぁ、そういう意味か」

マーモンの言動の意図に気付いたリボーンはテーブルの上に置いてあったチョコレートを一粒手に取る。

「仮装の1つや2つしてから来いよ」

「なにを言ってるのさ、僕の格好自体魔法使いっぽいだろう?
それに、君が今日いること知らなかったから」

「手抜くんじゃねぇ
つか、知らなかったのによくここに来たな」

「スクアーロからのお使いで来て君がいること教えてもらったから」

「ほら、チョコやるからこっち来いよ」

「チョコ…」

チョコと聞いてマーモンは表情を輝かせながらリボーンの元へと近寄っていく。

「おら、座れ」

「座れって…なんでよ
そこまでゆっくりする理由ないんだけど」

「腰抜かしたら大変だからな」

「いや、もらったら帰るのに抜かすも何も無い…ッと」

リボーンに腕を掴まれマーモンは渋々指示されたようにリボーンの太腿の上へと腰掛ける。

「ムム、君がチョコ持ってるのそう言えば珍しいね
あまり食べたりしないのに」

「愛人からもらった」

「…ならそれは君が食べるべきじゃ
他のものはないの?」

「ねぇよ、これしか用…」

そこまで言いかけるとリボーンは口を閉ざしてしまい、マーモンは顔を覗き込んだ。

「なに?」

「…チッ、ならこれでいいだろ?」

舌打ちをしながらチョコの包装紙を取り、自分の口の中へと放り込む。

「あ、おい僕のチョ…むぐッ」

自分にくれようとしていたチョコがリボーンの口へと入り不満げに訴えようとすると、リボーンに口づけをされてしまう。

「む…ッ…ぅ」

突然口づけされて驚いていると、リボーンの舌が自分の口を割って入り、ドロリとした半固体の物が口内へと入ってきて表情を歪ませた。

…甘い。

「も、ぃ…ッぁ?!」

チョコと互いの唾液が混じり合い、飲み込むのが苦しくなってきたマーモンはリボーンの肩を軽く押して離そうとする。
すると、逃すものかと腰を強く抱かれ後頭部を押さえ込まれてしまう。
リボーンはそのまま舌を絡ませ、その感触にマーモンは体を震わせる。
肩を押していた手でリボーンの服をギュッと握りしめた。

「ッは…」

しばらく貪るように口づけを交わし、満足したのかリボーンが唇を離すと悔しげな表情を浮かべているマーモンが目に入り、口角を上げて笑みを向けた。










「腰、抜けたろ」

「ッ…普通に、食わせろ馬鹿…」








 
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