とある日の夢のこと
バンッ!
「「「「!」」」」
混乱している最中、大きな音が聞こえて4人一斉に音のする方へと顔を向ける。
その音は、マーモンの隣に座っているベルから聞こえてきており、ベルは立ち上がりテーブルに手をついていた。
「ベ」
「王子この話興味ねぇしいーち抜け」
「ムギャッ!」
ヒョイッと椅子から立ち上がりベルはそう言いながらマーモンの頭をムンズッと掴んで歩き出す。
「ちょ、ベル離してよ!」
「う"ぉぉい、まだ話終わってねぇぞ」
「知らねぇよ、王子には関係ないし
それに、未来の話もこの話も共有し終えた時点で"終わり"じゃん
この話をこれ以上展開する意味、ねぇと思うけど」
「その話じゃねぇ、マーモンとの話のこと言ってんだぁ
行くならお前だけで行け」
「王子が言う事聞くと思ってんの?」
「…ベル」
2人の間に険悪な空気が漂い、マーモンは2人を交互に見る。
…一触即発、って感じだな。
今のベルになにを言っても効かなそうだし、なにをするかも分からない。
…スクアーロの話の件、気にならない訳ではないけれど…。
でも、ベルの朝と今の言動も気になる。
ベル。
君はなんで。
「スクアーロ、今はとりあえずベルと部屋に戻るよ」
「…いいのかぁ?」
「あぁ、それよりもベルの面倒を見るのが最優先だしね」
「…ししッ、そーいうわけだから
こいつは貰ってくわ」
マーモンがチラリと上を向いてベルに視線を向けると、少し間を置いてからベルはいつもの笑みを浮かべる。
「ベル、持ち方もう少し改善してくれない?
頭潰れそう」
「…」
「んもう、スクアーロが早まるから」
2人が出て行き扉がパタンと閉まると、ルッスーリアは少し呆れたようにスクアーロに声をかけた。
「早まるもなにもねぇ
どうせ話し合う中で、あいつが疑問に思うことは確実だったんだからなぁ
それをいつ言ったところで変わりゃしねぇ」
大きなため息をつきながらスクアーロはドカッと乱暴に椅子に座る。
「…ベルちゃん、やっぱりマーモンちゃんの事気にしてあんな態度だったのかしら」
「…まぁ、あいつの態度も無理はねぇ」
スクアーロは今朝見た夢のことを思い出しながら瞳を細めた。
「なんせマーモンは他のアルコバレーノに庇われた後、勝機が無いことを悟り、助けに来たあいつの目の前で自害したんだからな」
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