とある日の夢のこと


突然のことだった。

今日は任務がないから遅く起きる予定だったのに、朝早くにいきなり部屋にベルがやってきて僕を抱き締めた。
どうしたのかと問いかけても返事はなく、抱っこされて早1時間。
その間、ベルは一切話さない。

…こんなベルは初めてだな。
いつもなら"任務ないから付き合え"だの"殺し屋殺し行くぞ"と僕を連れ出したりするのに。
今日はベルは…あぁ、僕と同じで非番か。
だったらなおさらこんな早くに起きるなんて…。

壁掛け時計を見るとまだ8時。

任務が無い時はベルももう少しゆっくりなんだけどな。

「…ねぇ、ベル
何回も聞いてるけど今日はどうしたんだい?」

マーモンは小さく息を漏らし、"んしょ"とベルに向かい合うように体を動かして見上げた。

「さっきからずっとこの調子じゃないか
流石に、なんの説明もなく朝早くから起こされるのは嫌なんだけど」

顔を覗き込んでみるも、今日はなんだかベルの表情が読み取れない。
いつもなら多少前髪の隙間から見える目も見えないし。









いったい、どうしたんだろう。









コンコンッ。

「マーモン、起きてるかぁ?」

部屋の扉がノックされる音とスクアーロの声が聞こえてきた。

「あぁ、起きているよ
悪いけど、勝手に入ってくれる?」

マーモンの声を聞いたスクアーロが扉を開ける音が聞こえ、カツカツと歩いてくる。

「朝からすまね…なんだぁ、部屋にいねぇと思ったらベルもいたか」

2人の姿を見たスクアーロが驚きながらも声をかけ、"こいつどうした?"と顎でベルを指して問いかけてきた。

「僕も知らない
いきなり朝早くから来たと思えばなにも言わずにこの様でね
それで、スクアーロはなんの用?」

「緊急会議だ」

「緊急…?」

「あ"ぁ」 









「お前以外のメンバーと確認する事がある」

「…?」












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