いつから抱いた恋心
『…そんで、お前はどうすんの?
あいつのこと、どう思ってるわけ?』
ベルは部屋の椅子に腰掛けながらスクアーロに問いかけた質問を思い出しナイフを指で器用にくるくると回す。
あーぁ…。
手に持っていたナイフをシュッと壁に向かって投げる。
ナイフはトスッと壁に突き刺さり、ベルはそれをジッと見つめた。
『…俺は』
あいつは俺が思ってる以上に。
『マーモンの事』
マーモンのことを。
『噛み付いて離したくない程、好きだぜ?』
「…うししッ、マーモンの奴大変だろうな」
口角を上げて、笑みを浮かべながら獣のような瞳で告げたスクアーロの顔が脳裏に過ぎり、ベルはいつもの笑みを浮かべた。
普段冷静かつ大人らしく振る舞っていた鮫が、想像以上にマーモンに対して想いを抱いてるなんて、王子びーっくり。
マーモン。
「せいぜい、躾のなってない鮫に噛み付かれないように気をつけろよ?」
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