いつから抱いた恋心
「…ッはぁ…」
霧が集まり、マーモンの姿が徐々に形成されていく。
自分の部屋へと移動をしたマーモンは息を漏らしながらベッドへと体を沈めた。
…また逃げてしまった。
先程ベルの部屋にスクアーロが来た瞬間、即座に姿を消して部屋へと戻ってきたことを思い出し自己嫌悪に陥った。
スクアーロに好意を抱いていた事に気付いて早1週間。
ろくに顔を合わせることが出来なくなってしまった。
まさか、眠ることが出来なかった理由がこんな浮ついた自分の気持ちとは…我ながら恥ずかしい。
それなのに僕は、スクアーロに添い寝をしてもらったりあやしてもらったりと自分勝手にも程がある。
そして、自分勝手していたにも関わらず現在はスクアーロを避け続ける日々…。
「…流石に…スクアーロも怒ってるかな」
怒ってるだろうなぁ。
僕だったらいきなり無視されたりしたら怒るもん。
でも、だからといって顔合わせづらいし…どうしたものか…。
「…うむむむむむ…」
…そもそも、なんで僕はスクアーロの事が好きなんだろう。
というか、いつから好きなんだ?
虹の代理戦のあの時のことがトラウマになってるってことは、その時にはもう好きだった、って事だから…それよりも前なのは確実。
でも、赤ん坊の頃はほぼベルのお世話係でスクアーロと関わるのなんて書類整理頼まれたり、活動について相談されたりしたくらい。
スクアーロはほとんどボスに振り回されていたし。
…ボスと…スクアーロ…。
「…嫌な想像しちゃったな」
脳内に浮かんだ自分の想像に、マーモンは表情を歪ませた。
そうだ、スクアーロはボスの強さに惚れ込んで今もなおヴァリアーで右腕としてやっている。
そのスクアーロが、ボスに僕と同様好意を抱いていてもおかしくな…。
"あんのくそボスがぁ!
仕事ぐらいしやがれってんだ!"
"あ"ぁ?肉の種類なんて知るかぁ!
俺じゃなくてシェフに言いやがれぇ!!"
「…いや、ないな
そういう雰囲気感じたことないし
むしろいつも切れ散らかしてる」
ボスの事になるといつも怒ってるなぁ、スクアーロ。
でもなんだかんだ言って、彼がボスに忠実に行動をし、無理難題でも尽くすその姿は…。
「…あ」
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