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「ッは…」

「ぷは」

しばらく口内を舌で犯されると満足したのかベルが名残惜しそうに唇を離す。
2人を繋いでいた銀色の糸は途切れてしまい、ベルはペロリとマーモンの唇を舐め上げた。

「はッ…ぁ」

感じたことのない感覚に力が抜けてしまったマーモンはその場にへたりと座り込んでしまう。

「…ししッ、マーモン骨抜き?」

荒い呼吸繰り返すマーモンを見下ろしながら笑みを浮かべた後、ベルはしゃがみ込んで顔を覗き込む。
マーモンは両手で口を抑えながら弱々しくベルを睨みつけた。

「ッふ…む…き、君ね…こんな事して、ただで済むと…」

「だってマーモンが言ったんじゃん
"年相応の行動"しろってさ」

悔しげな表情のマーモンに気を良くしたベルはそう言いながらマーモンを優しく抱きしめた。

「べ」

「…ししッ…やぁっとマーモンに触れる」

「…?」

なにを言ってるんだろう、ベルは。
今までだって散々僕のことを触っていたじゃないか。

ベルの言葉の意味が分からずにマーモンがきょとんとしていると、ベルはマーモンの服の裾から手を入れた。

「むッ…ちょ」

「王子さー、マーモンにこうやって触るのずっと我慢してたんだからな?
赤ん坊にそんなことするのは王子の趣味じゃねぇし?」

ベルの指差しが冷たく、素肌に触れるとビクッと体が跳ねてしまう。
そんなマーモンの事などお構いなくどんどん手を進めていき、腹部を優しく撫で回した。

「ん、ぁ、べ、ベル」

「マーモンの事ずーっと好きだったの、お前知らなかったろ?
まぁ、お前鈍感過ぎるから期待はしてねぇけどさ」

「へ…?」

ベルがさらりと発した言葉にマーモンは瞳を見開きながらベルを見上げた。

「赤ん坊の時はお前に触れても流石に我慢できたからいいけどさ、元の姿に戻ったお前見たらもうだめだわ
小さくて唇ぷるぷるで、だけど何処となくえっちな感じがしてさー…」

マーモンの顔からつま先まで舐めるように見たあとにペロリと舌なめずりをし、ベルは耳元に唇を近付ける。










「もう、全部食べちゃいたい」

「ッ!!」

低く囁かれた言葉に背筋がゾクリと震え、顔に熱が集まったのがわかった。

ちょっと待て、ということはベルは…。

「む…ッ…ぅ」

「マーモン?」

ベルの言葉の意図を理解したマーモンは顔を両手で覆い隠し、それに気付いたベルが顔を覗き込んだ。

「お前なにしてんの?」

「いや…うん…ちょっと…ね
…ベル」

「なに?今更やめねぇよ?」

顔を覆っていた両手を恐る恐る外しながらベルに声をかける。

「違うんだよ、僕は」










バァァァンッ!!

「「ッ!!」」

「う"ぉぉぉい、ベルぅ!
てめぇ、先日の報告書まだ出てねぇぞぉ!」

マーモンが言葉を続けようとするといきなり扉が開かれ、スクアーロの怒鳴り声が部屋の中に響き渡る。
瞬時に気づいたベルはマーモンを抱き抱えると近くのクローゼットの中へと身を隠した。
カツカツと部屋の中へと入ってくる足音が聞こえ、二人は息を潜める。

「ッぶね…いいところに来やがって」

「むッ…ベル」

ベルはマーモンを抱き締めながら扉の隙間からスクアーロの様子を伺い、小さく舌打ちをした。
マーモンが名前を呼ぶと"しーッな"と口元に人差し指を立てて静かにするよう促した。 
すると、マーモンは弱々しくベルの服を握りしめコツンと首筋に顔を埋めた。

「どしたよ、まだ鮫いるからちょい待っ」

「…僕もね」

「?」

ポツリと呟くように言った言葉が聞き取れず、ベルはマーモンの口元へと耳を近付ける。
すると、マーモンは聞こえやすいように自分の口に手を添えた。










「僕もね、ベルのこと…好きだよ」










「…は?」

マーモンの突然の告白に間抜けな声を漏らしてしまい、顔を見てみるとマーモンはフードの裾を握りしめて深く被ってしまい表情が読み取れない。

「…ベルの部屋にいねぇからマーモンのとこにいると思ったんだが…彼奴等出掛けやがったかぁ?」

スクアーロが2人を見つけられず諦めたのか深いため息をつきながら部屋の扉へと向かう足音が聞こえ、その後に扉が閉められる音が響き渡った。

「…行ったね
そろそろ、出ようか」

自分の頬に集まった熱を発散させるようにパタパタと手で仰ぎながらクローゼットから出ようと立ち上がるマーモン。
そのマーモンの動きを制すようにベルは腕を掴むと再び自分の腕の中へと収めてしまった。

「む…ベル」

「…マーモン」










「もうちょい、このまんまで」

「…シャワー浴びてから、ね」










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