隠してしまいたいこの姿
「…」
…どうしよう。
マーモンはザンザスの座っているソファーの隣へと座り直し、ザンザスが書類を確認している様を見ながら心の中で呟いた。
ボスと二人きりになることなんて、そうそうないからな…なんか、気まずい。
いつもはボスのわがままでスクアーロがキレて、ボスがグラス投げてスクアーロに当たってまた更にキレての繰り返ししか見ないし。
ペンが走る音のみが、部屋の中に響く。
チラリと横目でザンザスを見てみると、淡々と書類を確認し、時折サインをしてを何度か繰り返している。
それを見てマーモンは、視線を天井へと移した。
…だんだんと酔いが覚めてきて、気を失う前のこと思い出してきたけど…ボスにカッ消されなくてよかった。
今日は機嫌がいいのかな?
さっきも、まだふらついている僕の事気にかけてくれたし。
「おい」
「ッ!」
頭の中でいろいろと考えていると、不意にザンザスが声をかけてきて驚いてしまい、ビクッ!と身体を大きく跳ねさせる。
「な、なに?!」
声が思わず裏返ってしまい、変な返事をしてしまう。
その様子にザンザスの表情は怪訝そうに眉間に皺を寄せる。
「終わった、持ってけ」
いつの間にか確認をし終えたのか、先程マーモンが持ってきていた書類の束をバサッと乱暴にマーモンの前へと置かれ、ザンザスはウイスキーのボトルへと手を伸ばす。
「ありがと、ボス
それじゃ、僕はスクアーロに渡しに行くよ」
「待て」
「?」
自分の前へと置かれた書類を手にして、記入漏れ等がないかの確認を終えると、マーモンは礼を言って立ち上がろうとした。
すると、なぜか制すように声をかけられ、不思議そうに顔を向ける。
ザンザスは自分をジッと見つめており、なおさらこの状況が理解出来ずにきょとんとしてしまう。
「…」
「…あの、ボス?
僕になにか用でもあるのかい?」
「…ちょっと来い」
「来いって…これでいいの?」
何の説明もなく、淡々と話す様子になおさら疑問を抱きながらも、マーモンは立ち上がりかけていた腰を再びソファーへと下ろした。
すると、ザンザスは再びマーモンをジッと見つめ、スッと手を伸ばし始めた。
「…?ボス、いったいなにを…」
「じっとしてろ」
ザンザスの真紅の瞳が自分の姿を捉えており、思わず身体が固まる。
も、もしかして時間差でカッ消そうとしてる…?!
「ボス、待」
ガチャッ。
「ゔぉぉい、ボスさんよぉ
こっちにマーモン来てねぇ……あ"?」
「…カス鮫」
「ス、スクアーロ…」
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