甘さに勝る、ものはなく
「…しっかし、意外だなぁ…」
「ム?」
共にシャワーを浴び、少し仮眠をした後に街へと出てスクアーロの行ったジュエリーショップへとやって来た2人。
スクアーロは自分の隣でショーケースを眺めているマーモンへと声を掛けると、不思議そうにマーモンは自分へと顔を向けた。
「なにがだい?」
「お前、普段自分からどこか行きたい、とか言わねぇじゃねぇか
俺が渡したやつが相当気に入って、他のも見たくなったのか?」
…つか、よくよく考えたらマーモンと一緒に出かけるの久々か…?
前にジャッポーネで2人で任務行くことはあったが、それ以来2人きりで出かけることはなかったよな…。
「…いやまぁ…うぅん…」
ふと今の状況に気付き考えていると、マーモンからはなぜか歯切れの悪い返事。
「…?なんだぁ、その歯切れの悪い言い方」
「別に僕が欲しくて来たわけじゃないんだよ」
「お前が欲しくてじゃねぇなら、いったい何しに来たんだぁ?」
「それは…うんと…ムムム…」
困ったような声色で、次の言葉を口にしようか悩んでいる。
それを見て、スクアーロはスッとマーモンから視線を逸らした。
「…まぁ、深くは聞かねぇが…」
「いや、言ってもいいんだけどさ、まだ…」
そこまで言いかけると、マーモンの視線がある1点に止まり、黙り込んでしまった。
それに不思議に思いながらスクアーロはマーモンの視線の先へと目をやる。
そこにあったのは青色の宝石で、それにマーモンが目を奪われていた。
「スクアーロ」
「どしたぁ?」
宝石を見ていたマーモンだったがふとスクアーロへと声をかけてきて、スクアーロが返事をすると、マーモンはジッと顔を見つめ始める。
「…いや…僕と同じじゃ無理か…髪に絡まるって言っていたし…下手するとボスに掴まれかねない…」
「ゔぉぉい、なにをそんなにブツブツ言ってんだ?」
「イヤリング…じゃ、だめか…失くしそうだし…それなら…」
「聞いて」
「君、ピアスつけたことは?」
「ピアス?俺がつけたことねぇのは分かってんだろ?
さっきからお前はなにを」
「…まぁ…開けるのはすぐ済むし…似合いそうだしピアスにしようか」
質問をするだけしといて詳細を話さずに自己完結しているマーモンがスクアーロへと手を伸ばして横髪を軽く退けると耳を確認しながら呟いた。
「マ」
「少し待ってて、そんなに時間は取らせないから」
「あ"、おい!…行っちまった…」
意図を聞こうと名前を呼びかけるも、その前にマーモンはスクアーロから手を離して一声かけると店員の元へと歩いていってしまい、引き止めようと伸ばした手はそのままなにも掴むことはできなかった。
「…あいつはいったい、なにを考えてんだぁ?」
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