甘さの中には苦みも隠れ
「あー…すんげぇ汚れちった」
シンッと静まり返っているアジト内の廊下。
時間帯が深夜だからか、廊下の明かりは薄暗くベルはその中を歩きながら自分の服についた赤黒い汚れについて口にする。
今日は昼の時の事もあってむしゃくしゃして派手にやりすぎちった。
別に痕跡残したりはしてねぇから大丈夫だけど。
スクアーロに報告する時どうすっかなー、部下は口止め(脅し)したから誤魔化しー…。
…そういや…。
『…まぁ、デートって言えばデートだな
あいつの買い物に付き合うだけだが』
「マーモンとスクアーロ、デート行ったんかな」
昼間のスクアーロとの会話を思い出し、ふと歩みを止めて窓越しに見える外の景色を見ながら呟いた。
彼奴等が付き合ってるのは周知の事実だし、別に王子に関係ないと言えば関係ない。
関係ない…けど。
イラッ。
「…」
あ、なんかまた腹立ってきたわ。
つーか、スクアーロの奴鈍すぎ。
あいつが自分以外のことで必死になるのってスクアーロのことぐらいだってのわかるだろ。
どんだけマーモンのこと分かってねぇんだよ。
あれか?分かってないふりして王子に対しての当てつけ?
王子がまだマーモンの事好きなの知ってて諦めてねぇからって。
「あー、くっそ腹立つ
一旦シャワー浴びて着替えたら、どっかふらついて…」
止めていた歩みを再び動かしながら今後の予定を立て始めると、自分の部屋の扉の前へとたどり着き、ふとドアノブになにやら紙袋がかかっていることに気付いた。
「なんだこれ?」
紙袋へと手を伸ばして手に取って中を確認してみると、なにやら箱と紙が1枚入っている。
"10倍返しね マーモン"
「…あんにゃろ」
紙の内容を見てみるとそう書いてあり、箱も見てみるとどうやらチョコレートが入っているようだった。
…あいつ、意味分かってんのかよ…。
「それなら、なんで同じ気持ちじゃねぇんだよ…あほ」
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