約束事には忠実で


「それで、君は何処か行きたいところあるのかい?」

ヴァリアーアジトから出て、イタリアの街へとやってきたリボーンとマーモンだったが、ふと行き先など予定を決めていないことを思い出したマーモンはリボーンへと問いかける。

「いや、特に決めてねぇ
お前は何処かあるか?」

「うーん…」

行きたいところか…。
最近ずっと任務だったから、特に今日はゆっくりしてようと思ってなにも考えてなかったんだよな…。
以前から行きたかった場所、なんてところもない。
そもそも、僕インドア派だし。

「…僕も特にないかな
そもそも、今日はアジトでゆっくりする予定だったし」

「まぁ、そういうこったろうと思ってたわ
お前が外に出るの想像つかねぇし」

「ムム…そんなことはないさ」

余計なひと言を添えてけらりと笑うリボーンにマーモンはムッと頬を膨らませた。

「僕だって外に出るさ、ベルと一緒に」

「お前自らの意思じゃなくて、どうせベルフェゴールに連れられて、だろ
それなのにそんな威張るように言うな」

「…」

バレてる。

「つーか、今日はそのベルフェゴールは休み一緒じゃねぇのかよ」

「そんなにしょっちゅうベルといると疲れちゃうんだけど
確かに楽しいけど、ほとんど教育係兼おもり役だしね
昨日から明後日まで、ベルはレヴィと任務」

「ほぉん、珍しいこともあるもんだな」

「だいたい、ベルと休みが一緒だとわかっている日に君とデートしよう、なんて言い出すわけがない
絶対にベルはついてくるからね、面白半分で」

「ふは、お前もお守り大変だな」

「大変だよ、本当に…
それに比べて、綱吉は素直で可愛いよね」

「は?」

以前会った時のツナの姿を思い浮かべ、普段一緒にいるベルと比較しながら言うとリボーンの動きがピタリと止まり、マーモンは数歩先を歩いてから立ち止まって振り返る。

「なに?」

「…お前な」

首を傾げながら問いかけると、リボーンは眉間に皺を寄せてマーモンの隣へと歩いていくとマーモンはそれにつられて再び歩みを進めた。

「ツナのどこが可愛いんだよ、勉強が出来ないダメダメだぞ」

「まぁ、そりゃ勉強は出来ないけれど性格上の話さ
ヴァリアーでは皆個性的だし、気付けばボスのわがままでスクアーロが切れて、レヴィがその喧嘩に巻き込まれ、ルッスーリアが微笑ましそうにそれを眺めて、ベルは遠くから面白がって見物
そういうのを毎日のように見てると…なんだろうね
確かに綱吉は勉強はできないし運動も苦手
挙句の果てには、ボンゴレ十代目になるのはほぼ確だと言うのに未だに逃げ回ってると聞くよ
だけど、昔から裏社会で生きてきた僕達からしたら、そういう子は物珍しいからね…
普段の連中に比べてみると、ころころ表情が変わって面白いし、可愛く見えるのさ」

「…」

「君だってそうだろう?リボーン
なんだかんだ言って、君も彼が可愛」

「うるせ」

「むぎゃッ」

軽く頭を小突かれ声を漏らし、マーモンは痛みのある頭を手でさすりながらリボーンを見上げる。

「なに、図星?」

「んなわけねぇよ、お前、この前からずいぶんとツナのこと気に入ってるじゃねぇか」

「気に入ってるというわけではないよ、ただ周りにはいないタイプだから物珍しいだけ」

「はッ、どうだかな」

「…」

先程までの態度とは打ってかわり、やたら機嫌が悪そうだな。
綱吉の話をし始めてから…。












…あ。












「リボーン」

「なんだ?」

「教え子に妬くなよ、家庭教師がさ」

「…るせぇ、あほ」











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