ここからここまで
「マーモン、お前まだベルと喧嘩してんのか?」
「ム?」
談話室にて、スクアーロと共に書類の確認をしているとふとそう言われてマーモンは書類から目を離してスクアーロへと向けた。
「まだって…この前も別にしてないって言ったろう?」
「…その割には」
「マーモンッ」
「ムッ?!」
スクアーロが言葉を続けようとすると、マーモンの背後からベルの声が聞こえそのままガバッと抱きしめられマーモンは驚きの声をあげる。
「…なに、ベル」
「まーだそんなもんやってんのかよ、はよ終わらせろよ」
「僕は今忙しいんだ、あとにしてくれる?
終わったら相手してあげるから」
自分の頭にベルが顎を乗せながら離し、マーモンは書類に目を移しながら返事をするとベルからパッと手を離されて頭に感じていた重みがなくなり軽くなった。
「うししッ、言ったかんな?」
「はいはい、あとでね」
「んじゃ、部屋で待ってっから」
ひらりと手を振りながら上機嫌な様子でベルは談話室から離れていき、2人の会話を聞いていたスクアーロはジトリとした目つきでマーモンを見る。
「…なに?」
「…やっぱなんかあったろ、お前」
「…なんでそう思うのさ」
「いやだってよ、マーモン
お前普段ならもうちょいあいつのダル絡みに付き合うし、顔見てちゃんと話すだろ?」
「それはベルが背後から声かけてきたからで、それに今は書類の確認してるからで」
「それになによりよぉ…」
「お前、なんでそんなに顔赤いんだ?」
マーモンは自分の顔に集まり赤くなった頬を隠すようにグッとフードの裾を掴んで小さく口を開いた。
「…赤くない…」
「お前、顔一回鏡で見てから言え?」
「…赤くないし…だとしても、そうだとしたらベルのせいだから…」
「…やっぱ喧嘩してんじゃねぇか…」
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