お菓子をくれなきゃ
「…まったく、貴方という人は…乱暴にも程がある」
雲雀の家へと連れてこられた骸は疲れたような口調で言いながら畳の上へと正座をする。
マーモンの滞在しているホテルでのお菓子パーティーの最中、風との戦いが終わった恭弥に連行されて今に至りますが…。
「…お菓子、もう少し食べたかったですね…」
「お菓子?」
ぽつりと呟く骸の言葉に、雲雀は浴衣に着替えながら骸の方へと顔を少し向ける。
「なに、お菓子食べたいの?」
「まぁ、そうなんですが…マーモンのところのお菓子を少しもらってくればよかったですね
彼が買ったものなので流石にそこまではしなかったのですが」
「…ふぅん…お菓子、ね…」
顎に手を当てながら考えるように言うと、雲雀は興味なさそうに言葉を繰り返した後、着替え終えたのか部屋の扉へと進んで歩いていく。
「おや、どちらに?」
「着替えだけで済まそうとしたけど、シャワー浴びてくる」
「そうですか、それでは僕はここで待っていますので」
「…」
「…なんです?」
扉に手をかけ、雲雀がくるりと身体を向けて黙り込む様子に骸は首を傾げる。
「一緒に入る?」
「…入りません」
「そう、それは残念」
問いかけられた言葉に一瞬きょとんとするも、スッと顔をそらしながら断ると、雲雀はそう一言残して部屋から出ていった。
「…一緒に入ったら、絶対にお風呂だけでは済まなくなるでしょうに…」
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