貴方の心を癒すのは?


「…んむ…ん…ぅ…」

マーモンは自分の上に何かが乗っている重さに小さく唸り声を漏らしながらゆっくりと瞳を開けて、視界に入る天井をぼーっと見上げた。

…あれ…僕…確か…任務終わって…それで…談話室…談話室…?
ここ…談話室じゃない…。

「いったいここは…」

そこでふと、先程感じた重みを再度感じて視線を動かすと、見覚えのある銀色の長髪が視界に入る。

…スクアーロ…?
この状態からして、僕の上に覆い被さってるようだけどなんでだ?
いつもなら、横で寝てるのに…というか、重い。

「スクアーロ、起きて
重いから退いてほしいんだけど」

ゆさゆさと身体を揺すると"ゔ…"と小さな声を漏らしながらスクアーロはうっすらと瞳を開け、マーモンはひょこっと顔を覗き込んだ。

「起きた?おはよスクアーロ」

「…んだぁ、起きたのかマーモン」

「起きたよ、僕の事運んでくれたの君だろう?
ありがと、手間かけさせたね」

「まったくだぁ…」

スクアーロは上体を起こし、額を抑えながら顔を軽く横に振り、ぽふっとマーモンの横へと横になる。
その様子からしてまだ眠たそうだ。

「…今何時か分かるか…?」

「うんとね…20時…え、20時…?!」

マーモンはスマホに映し出された現在の時間を見て思わず2度見をし、上体をガバッと勢いよく起こした。

僕が任務から帰ってきたのは確か9時頃で…え、それから10時間近く経ってるってこと?
流石に寝過ぎた…報告書もなにも手を付けてないというのに…。

「スクアーロ、僕部屋戻って報告書」

慌ててベッドから降りようとすると服の裾を掴まれてマーモンはスクアーロへと目をやる。
スクアーロは眠気眼でマーモンを見つめており、マーモンへ向かって"ん"と手を差し出した。

「…?」

なんだ?この手は?

スクアーロの行動に不思議に思いながらも差し出された手に自分の手を乗せると、マーモンの手首を掴んでスクアーロは自分の頭へと乗せた。

「…えっ、と…スクアーロ…?」

「…ちょっと、撫でててくれぇ」

「え、撫で…頭撫でればいいの…?こ、こう…?」

戸惑いながらスクアーロの指示通りに頭を撫でると、そのまま瞳を閉じてスクアーロは顔をベッドへと埋めて眠り始めてしまう。











「…え…なにこれ…可愛い…」











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