貴方の心を癒すのは?


「…ゔぉぉい…いったいどういう状況だ、これは…」

「あらぁ、珍しい組み合わせじゃない?」

ルッスーリアと同時刻にアジトへと帰ってきたスクアーロは談話室の扉を開けて目の前に広がる光景に驚きを隠せずにいると、後ろから姿を現し同じように光景を目にしたルッスーリアがなぜだか嬉しそうに言い、スマホで写真を撮り始めた。

…なんで…。










「なんでボスとマーモンが、一緒に寝てんだぁ…?」












ソファーに2人仲良く(?)寄りかかりながら眠っているザンザスとマーモンの姿があり、スクアーロはそれを眉間に深く皺を寄せてスッと近付きザンザスの肩を揺すり始めた。

「起きろクソボス」

「あら、起こしたらかわいそうよスクアーロ」

「かわいそうなわけあるかぁ
むしろ、こいつが仕事しねぇせいで俺に仕事が山程回ってるんだからな」

スクアーロを止めるルッスーリアをギロリと鋭い視線で睨みつけ、ルッスーリアは"それはそうだけど"と制するのを止めた。
しばらく揺すると、ザンザスは不機嫌そうに片目を開けてスクアーロを視界へと入れた。

「…なんだ、ドカス」

「ドカスとは随分な挨拶じゃねぇか、ボスさんよぉ
ここで呑気にマーモンと昼寝とは、良いご身分じゃねぇか」

「…」

額を教えながら上体を起こすザンザスに皮肉を込めた言い方をすると、ザンザスはチラリとマーモンを一瞥し立ち上がる。

「ルッスーリア、食事の用意」

「あらッ!私も今帰ってきたばかりだけど、ボスから指名があるとなると頑張るしかないわねぇ!」

スクアーロの言葉を無視するようにザンザスはルッスーリアへと声をかけ、ルッスーリアはぱぁぁと表情を輝かせながら身体をくねらせた。

「あ"!おいこら待て!!この状況の説明をゔぉ?!」

自分の話を聞かずに離れていくザンザスをズカズカと追いかけて肩を掴んで振り向かせようとするも、ザンザスはテーブルに置いてあった空のグラスを手にしてポイッとスクアーロに向けて投げ、寸前のところでスクアーロはそれを避ける。

「話を"ッ!!」

避けて安堵したのも束の間、二撃目のグラスが飛んできて避ける暇もなく鼻頭に当たってしまい、スクアーロは痛みに悶えるように鼻を抑えてその場にしゃがみこんだ。

「〜ッ!!」

「あらあらボス!なんでグラスそこにたくさんあるのかと思ったら…もしかして事前準備してたの?」

「…」

「ッ…てめ、ザ」

「カス鮫」

「あ"?なん」










「てめぇのところにある書類、俺の部屋に全部まとめて置いとけ」










「…あ"?」

ザンザスの突然の発言にスクアーロは間の抜けた声を漏らして瞳を丸くする。
ルッスーリアもその発言に驚きのあまり言葉を失っていると、ザンザスは大きな欠伸をしながら再びマーモンが座って眠っているソファーへと腰掛けて、瞳を閉じて眠り始めた。

「…なんだぁ?どういう気の変わりようだ…?」

「さぁ…?もしかしてお昼寝に飽きちゃったとか?」

「んなわけあるかぁ、このボスさんだぞ?
…とりあえず、書類置いといてみるかぁ…やってくれるにせよどうにせよ、一応言われたしな」

寝息を立て始めるザンザスから視線をマーモンへと移し、"はぁ…"と深いため息をつくと頭を掻きながら扉へと向かって歩いていく。

「マーモンちゃんはいいの?」

「とりあえず書類移動…いや、今ついでに連れてっちまったほうがいいか」

ルッスーリアに言われ、未だに眠っているマーモンへと近付き膝の下へと手を入れ肩を優しく抱いてそのまま持ち上げて姫抱きにする。
その様子をルッスーリアはジッと見つめていた。

「なんだぁ?どうしたルッスーリア」

「…いえ…スクアーロがこうなのはいつもの事だからいいんだけれど…」











「ボスとマーモンの扱いの差がすご過ぎて…」

「…流石に任務で疲れ切って死んだように寝てる奴を起こしたりはしねぇよ」











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