嫉妬と葛藤
「マーモンマーモン!点数と順位、ちゃんと上がったよ!」
学校から帰宅をするなり、一緒に帰ってきたマーモンへと嬉しそうに声を上げながらツナは笑顔を向けた。
「僕が教えたんだから当たり前だろう?
それに、君の頑張りもあったからね」
「マーモンが教えてくれたおかげだよ、本当にありがとう!」
「だけど、油断しないことだね
継続しないとこういうのは意味がないから、ちゃんと自分のペースで続けていきなよ」
「自分のペース…な、なんとか頑張ります…」
「よぉ、今帰ってきたのか」
靴を脱いで廊下を歩いているとリビングからひょこっとリボーンが顔を覗かせ声をかけてくると、ツナが嬉しそうにテストを見せびらかせ始める。
「見てよリボーン!俺点数上がったんだよ!」
「ほぉ…前が悲惨だったから差がすげぇことになってるな」
「確かに、見せてもらったけど悲惨だったね」
「う、そ、そんなに言わなくても…」
「…あ、そうだ…綱吉」
リビングに入り、鞄を床へと置くとマーモンは綱吉の元へと歩み寄る。
「点数も順位も上がるほど頑張ったんだ、約束の"ご褒美"をあげないとね」
「ご褒美…あ、確かにそんなこと言ってたけど…」
「そんなに固くならなくても変なことはしないよ」
「おい、マーモン」
「ム?」
名前を呼ばれリボーンへと顔を向けると、眉間に皺を寄せてジッと自分を見つめている事に気付き、ふと口元に笑みを浮かべて綱吉へと向き直した。
「綱吉、ここらへんで美味しいケーキのあるカフェはないかい?」
「カ、カフェ?
俺はそういうの詳しくないから分からないけど…」
「そう、なら今から市街の方に行ってみようか
僕がケーキ奢ってあげる、それがご褒美ってことで」
「え、いいの?!」
「あぁ、約束だったからね
そうと決まれば、準備してきなよ
待っててあげるから」
自分の部屋へと着替えに向かったツナを見送った後にリボーンへと体を向けて顔をひょこっと覗き込む。
「…お前な…俺ともろくにデートしたことねぇのに」
「何言ってるのさ、デートじゃなくてご褒美をあげるだけだよ
君も一緒に来るかい?」
「行かねぇよ、さすがにな
俺が行ったところで、支払いが俺になるのがオチだろ」
「なんだ、バレたか」
"んべ"と舌を出しながら身体を翻そうとすると、リボーンが肩を掴んでクンッと引き寄せる。
突然の事に驚いているとリボーンが少し身を屈め、マーモンの唇へと軽くキスを落とす。
「…今日のところはこれで勘弁してやる
ちゃんと、俺にも"ご褒美"、寄越せよな」
「…」
「マーモン、準備出来…って、どうしたの2人とも?」
準備を終えたツナがリビングの中へと入ってくると、マーモンの肩を掴んでいるリボーンを見ながら首を傾げた。
「別に、なんもねぇよ
2人で楽しんでこいよ」
「マーモン、またリボーンになにか…マーモン?」
「…なに?」
部屋から出ていくリボーンを見送った後、マーモンのことを心配してか顔を覗き込んでくるツナを見て、マーモンはフードを深く被り直した。
「…なんでそんなに顔真っ赤なの?」
「…別に、深い意味は」
「あ、もしかして風邪?!大丈夫?!!」
「…大丈夫だよ、ありがと…」
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