嫉妬と葛藤


「…いきなり現れたかと思えば、突拍子もない事言いやがって」

リビングに腰掛けるリボーンを見ながらマーモンも隣に腰掛けると、リボーンはため息混じりにそう言った。

「突拍子もないもなにも、任務だからね
任務内容をそうやすやすと事前に他人に教えるわけないだろう?」

「それはそうだが、俺も一応当事者だろ」

「…そういえば、綱吉のママンはどこにいるんだい?」

ふとリビングを見渡すも、ツナの母親がいないことに気付きマーモンはリボーンへと問いかける。
よくよく見ると、ランボとイーピンの姿も見えない。

「買い物だ、お前が来たから今日は腕によりをかけて作るって張り切ってたぞ」

「ふぅん…そう」

「それよりもお前、話し遮るなよ」

「遮るもなにも、特に話すことはもうないだろう?」

「ツナと仲良さげに話しやがって」

「それは当たり前だろう?今回は彼の勉強を見るのが目的なんだから
彼は情けないところもあるが、人懐っこい性格みたいだからね…
案外可愛らしいじゃないか、ベルにも見習ってもらいたいものだよ」

「そういう事を言ってるんじゃねぇ」

「…」

不貞腐れたようなリボーンの表情を見て、マーモンは疑問を抱くもすぐにその様子の意図にピンときたのかリボーンの顔を覗き込んだ。

「…なんだよ」

「…いや?教え子にヤキモチを焼くなんて、君も案外可愛らしいところがあるじゃないか」

口元に笑みを浮かべながら告げると、リボーンはフイッと顔をそらす。

「ちげぇよ、俺があんなダメツナ相手に妬くわけねぇ」

「…そう、なら僕は安心して彼に勉強を教えることができるね」

…素直じゃないね、お互いに。

リボーンの態度に呆れたように息を吐いた後、マーモンは立ち上がりリビングの隅に置いていた自分のキャリーケースを手にとって中を開ける。
中には学校に持って行く用の鞄や自分の私服などが入っており、鞄を取り出して中を確認し始めた。

「お前、制服はどうすんだ?」

いつの間にか背後から覗き込んでいたリボーンが、荷物の中身を見ながら声をかけてくる。

「制服はいらないよ、どうせ幻術で自分の姿変えるからね
学生証も偽造済みさ」

「ほぉ、そりゃ仕事が早いこった」

「だから持ってきてるのは学生鞄だけだよ
教科書はどうせ1週間くらいだし、綱吉に見せてもらえばいいでしょ
金の無駄だからね」

「そんぐらいお前からしたらはした金だろ」

「君からしたら、だろう?
別に僕の任務なんだから口出ししないでよ」

「へーへー…」

口を出してくるリボーンに若干苛つきながらジトリとした目つきで見上げると、適当に返事をするリボーンだったが、なにか思いついたような表情をしてズイッと顔を近づけた。

「おい、マーモン」

「…なんだよ」










「金、払うから1つ頼みがあるんだが」










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