嫉妬と葛藤


「…君は本当に教え甲斐があるね、綱吉」

自分が手渡した問題集の約6割を見事外しているツナにマーモンがそう告げると、ツナは"あはは…"と乾いた笑いを溢した。

「褒めてはいないからね?」

「わ、分かってるよそれは!」

「でも、さっきよりは丸の数が多くなってるから少しだけだけど覚えてきてるようだ
これをテストまでに繰り返せば、まぁ平均くらいは採れるんじゃない?」

「本当?」

「君の頑張り次第だけど」

「マーモンも1週間で帰っちゃうし、それまでにはなんとか点数上げないと…」

「僕が帰ったとしても、勉強をやる努力を怠らなければいいだけさ
あと、自分に合った勉強方法を見つければね
それも、僕がいる間に見つけられるように頑張りなよ」

「う、うん…なんとか頑張るよ」

「とりあえず、一度休憩しようか
僕は明日の学校の準備もあるしね」

チラリと壁にかけられた時計を見ると、夕方になっており窓から見える外の景色はオレンジ色に染まっていた。

「本当に学校まで来るの?」

「うん、君が普段どんな学校生活してるのか様子見てこいって家光からも言われてるから」

「と、父さんから?」

「どういう意図かはしらないけれど、知りたいんじゃない?
君の学校での様子がさ、友達と仲良くやってるのか、とかね」
  
「…父さんが…」

「僕が勝手に言ってるだけで真意は分からないけど
それじゃ、1時間後に再開するから」

「あ、待ってマーモン」

「ん?」

立ち上がり部屋から出ていこうとするとツナに呼び止められ、マーモンは身体を向けるとツナは少し恥ずかしそうにはにかんだ。

「…えっと…たぶん、たくさん迷惑かけるかもしれないけど…よろしくね、マーモン」

「…はいはい」

ツナの言動にマーモンは驚いたように瞳を見開いたが、すぐに前へと向き直り部屋を後にした。

「おい、マーモン」

部屋から出るとすぐに声をかけられ、リボーンが壁に寄りかかりながら自分を見ていることに気付いた。

「なんだい、リボーン
愛人の所に行ったんじゃないのかい?」

「行くわけねぇだろ、お前がいるのによ」

リボーンはクイッと顎を動かし、"ついてこい"というように階段を降りていく。
マーモンはその様子を見て、小さく息を吐きながらあとをついていった。









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