いつから抱いた恋心
「昨日、結局マーモン帰ってこなかったわねぇ」
病院の廊下を歩きながらルッスーリアは前を歩くベルへと声をかけた。
「別にいーんじゃね?あいつの気の済むようにしてやりゃ
つーか、なんでお前までついてくんだよオカマ」
「マーモンが食欲無いから食べられやすそうな物持ってこうかなって思ったのよ
そういうベルちゃんだって、こんな朝早くから来るなんて珍しいじゃない?
貴方もやっぱり心配し」
そこまでルッスーリアが言いかけると、ベルはシュッとナイフを数本ルッスーリアへと投げつけた。
"危なぁッ!"と後ろから野太い声が聞こえてくるも当たることはなかったらしい。
ベルはそのまま後ろを気にすることなく歩いていく。
心配ってわけじゃねーけど、あいつの事だからぶっ倒れてそうだから見に来ただけ。
あのちびがどうなろうと王子の知ったこっちゃねーし。
あーでも、他のメンツむさ苦しいからいたほうがましか?
「マーモーン」
スクアーロの病室へと辿り着き、ガラリと戸を開けながら名前を呼ぶ。
しかし、部屋の中にはマーモンの姿が見えずベルは首を傾げた。
「あり、いねぇじゃん
あいつの事だから鮫んとこにいるかと思った…あ?」
カツカツと歩きながらスクアーロの様子を見ようとベッドへと近づきふと違和感を感じた。
明らかにスクアーロ1人分の膨らみよりも大きい。
「うししッ、もしかして隊長女でも連れ込んでんの?
病院生活で溜まってるからってそりゃないわー」
はにかみながらどんな女を連れ込んだのか気になり掛け布団を指で少し捲りあげてピタリと動きを止めた。
「ベルちゃーん、マーモンちゃんいたかし…あらぁ」
ルッスーリアが動きを止めたベルの背後からベッドの様子を見て小さく微笑んだ。
ベルは勢いよくバッと捲った布団を戻して頭の後ろで手を組んだ。
「ししッ、いい大人が添い寝とか気持ちわり」
「まぁまぁ、たまにはいいじゃない
それに、マーモンちゃんよく寝てるんだし」
「これ、写真撮ってマーモンの事いーじろッ」
カシャッ。
「あ、私にも送っておいてくれる?」
「お前にはやんねーよ、くそオカマ」
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