近くにいるのに少し遠くて
「…」
「…」
「…」
…き…気まずい…。
流されるがままにスクアーロの部屋の浴室で一緒に入る事になり、お湯の張った浴槽にスクアーロに背後から抱きしめられる形で入ったマーモンはこの空間に気まずさを覚えていた。
スクアーロに圧されて一緒に入ったはいいものの…スクアーロ黙り込んでるし、僕のこと離してくれないし、温度…高めで熱いし直ぐに逆上せそう…。
「…スクアーロ…、あの、離してくれないかい?
流石にちょっと熱くて」
スクアーロがいる後ろに顔を少し向けながら声を掛けると、長い髪を結った姿が目に入り、マーモンははたと動きを止めてスクアーロをジッと見つめてしまう。
「…少しぐらい我慢しろぉ」
「…あ…うん…はい…」
…なにその無駄な色気…心臓に悪い…。
マーモンは返事をしながら顔を前へと戻し、口元まで水面へとつけるとぶくぶくと息を吐く。
久々のスクアーロは嬉しいんだけど、状況が状況だし、スクアーロ怒ってるし、お互い裸だし…。
触りたいけど、今怒ってるから下手に触ったら尚更怒るかな…でも…。
「むむむむむ…」
「…なに唸ってんだ、お前」
「…葛藤中」
「葛藤中?」
「…気にしないで、僕の問題だから」
「なんだぁ、俺にも言えないことか?」
「!」
スッとマーモンを抱きしめるスクアーロの手の力が強まり、背後から顔を覗き込まれマーモンはピクッと反応を示し、スクアーロから顔を逸らした。
「…スクアーロ、あんまり顔見ないで」
「あ"?なんでだよ
俺はお前の顔、見てぇんだよ」
「うぐ…だ、だって今の君…なんか…すごく…」
「…?」
マーモンは両手で顔を覆い隠し、ぼそぼそと呟くような声量で呟いた。
「…色気、すごくて…なんか…久々だし…変な気分になりそう…」
「…ッ…ぶは!」
「わ、笑わないでくれる?!」
マーモンの言葉を聞いたスクアーロはきょとんとした表情をし、数秒後に盛大に吹き出してその声にマーモンはボンッと顔を真っ赤にしてスクアーロに顔を向けてぺちぺちと軽く肩を叩いた。
「くくッ…真剣に悩んでると思えば…お前、んな事思ってたのかよ
そういや、お前結構むっつりだったもんな」
「むっ…そ、その件に関しては今は置いとくとして!
そりゃ、君とまともに会うの1ヶ月ぶりだし…僕だって、こんな状況だと変な気の1つや2つ起こしそうになると言うか…」
「変な気、なぁ…
ベルにくすぐられて、あんな喘ぎ声みたいな声上げてたやつがよく言うぜ」
「喘…ッ?!そ、そんな声出した覚えないんだけど!」
「出してたから言ってんだ、ぼけ
扉越しにうっすらと聞こえてたからな」
「ひぎゃッ!」
スクアーロの指が自分の腰に触れ、驚きのあまりマーモンは叫び声に似たような声を上げてしまい、その様子にスクアーロは"ふはッ"と更に吹き出した。
「色気も何もねぇ声だな」
「ッ…僕に色気を求める事自体間違いじゃないかな…?」
「んな事ねぇよ、お前結構色っぽい時あるしな」
「んッ」
腰に触れていた指がゆっくりと肌を這い、下腹部へと触れられくすぐったさから声が漏れ出てしまう。
「お前、さっきベルにどんな風に触られたんだよ」
「さ、触られたって…くすぐられてただけなんだけど」
「ほぉん…こことかか?」
「ひッ…ぅ…」
指が脇腹へと触れ、ピクッと身体を跳ねさせながら小さく声を漏らし、スクアーロの自分に触れている手の上に自分の手を重ねた。
「ちょ、くすぐったい、から…」
「それとも、ここも触られたか?」
「〜ッ?!」
瞳を細めながらスクアーロの手が薄い胸板へと触れられ、突起をカリッと爪で引っかかれるとマーモンは刺激に反応を示し、ビクッと身体を反らしてしまう。
「お前、ここ弱いもんなぁ?
…今の姿も、ベルに見せたのか?」
「ッふ…ぁ…あ」
耳元で低く囁くような声色に背筋がゾクリと震える。
あ…スクアーロ…久しぶりに、触られて…やば…。
もっと…触ってほしい…。
「はぁ…ッあ…す、すくあーろ…」
「…なん…ッゔぉ?!」
甘い声を漏らしながらスクアーロの名前を呼び、返事をしようとするスクアーロに身体を向けるとマーモンはそのやまの勢いに抱きついて自分の唇とスクアーロの唇を重ねる。
「ゔぉぉい、マーモ」
「ッごめ…すくあーろ…怒ってるの、分かってるから…
あとで、たくさん文句も、聞くから…」
呼吸を乱しながら切羽詰まった様子のマーモンにスクアーロは驚き、マーモンは自分の胸板に触れていたスクアーロの手を上から握りしめ、再び自分の胸板へと触れさせた。
「…今は…もっと、僕に触れて…」
「たくさん、君を…感じさせて…」
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