近くにいるのに少し遠くて
「…マーモンの奴、もう帰ってきたと聞いているが何処いんだ?」
スーツ姿で廊下を歩くスクアーロは、1時間前にマーモンに代理出席を頼んだ会合を終えたとの連絡を受け取り、もうアジトに戻ってきていると思っていた。
スクアーロ自身も、別の任務から帰宅したばかりでアジト内の状況を把握できておらず、先に戻ってきているであろうマーモンに話を聞こうとしていたのだが…。
「帰ってきて談話室覗いてみても、もしかしたら俺の部屋で先に待っているのかと思ってたが…自室か?」
マーモンの姿が何処にも見当たらない。
マーモンの部屋である扉の前に辿り着いたスクアーロがドアノブへと手を伸ばし、回そうとしても鍵がかかっているのか開く気配がない。部屋の中から気配もない。
「…そうなると、ベルんとこか」
チラリと隣にあるベルの部屋の扉を見て呟きながら目の前へと移動して立ち止まる。
今日はベルも任務なかったはずだからたぶん捕まってんだろ。
あいつも、もう16だってのにいつまでもマーモンに甘えやがって…。
『…ッ…ぁ…』
「…?」
なんだぁ、ベルの部屋から声が聞こえたが…マーモンの声か?
ふと小さな声が耳に届き、スクアーロはドアノブに伸ばしかけていた手をピタリと止めて扉へと耳を押し当てる。
『ふッ…ふふ…やめ…ベル…』
『うししッ、王子が言われてやめるわけねぇじゃん?』
部屋の中から、マーモンの弱々しい声とベルの楽しそうな声が聞こえ、スクアーロは眉間に皺を寄せた。
こいつら、一体何して…。
『言ったじゃん?王子が寂しさ忘れさせてやるってさ』
『あ"ッ!も、ほんと、無理!無理無理!』
マーモンの甘い声が上がり、スクアーロはビクッと身体を反応させる。
『ししッ、いい反応するじゃんマーモン?
まぁ、そう言ってるのも今のうちだって
いい加減、我慢すんのやめろよ』
『ッひぅ…ん…む…ぁ』
いや、本当にこいつら何してんだぁ…?!
バァァンッ!
「ゔぉぉい!ベル、マーモン…お前らなにして…」
脳内であらぬ想像をしてしまったスクアーロは勢いよくベルの部屋の扉を開けて中へズカズカと入っていく。
「あり、スクアーロじゃん」
「ベル、お前…マーモンになにしてんだぁ…」
ソファーの上でマーモンを組み敷いているベルが視界に入り、スクアーロの表情が険しくなる。
「マーモンに?そりゃ…」
ベルは自分の下で息を切らし、呼吸を整えているマーモンを指差しながら口を開く。
「くすぐってただけだけど?」
「ひッ…ぅ…す…すくあー…ろ…?」
「…ゔぉぉい…」
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