入れ替わりパニック


風捜索チーム---

「風のやつ、ヴェルデの研究所内にはもういなかったな」

研究所内の部屋という部屋を探し終えたコロネロとスカル。
2人は研究所から出て街中を歩きながら周りを見渡した。

「研究所の中にはいると思ったんだけどね…」

「無駄に行動力ある奴はこれだから困るわ
マーモン、お前あいつが行きそうな場所思いつかねぇのか?」

「わかるわけないだろう、僕があいつの事なんてさ
逆に君はわからないのかい?」

「わからねぇから聞いてんだよ、アホ」

「ムム…馬鹿」

「ちび」

「…無駄イケメン」

「悪口のレパートリー、少なすぎね?」

「…とりあえず、風を探そう
いつものあいつなら身長高いからわかりやすいけど、今は僕の身体だから人混みではそう簡単に見つけられない」

「そもそも、あいつがこんな人が多いところに来るのかって思うけどな」

「そうなんだよね…あいつ、けっこう静かなところが好きだし…
まぁ、人混みにいない方が僕的には安心かな」

「なんでだよ?お前もあんまり好きじゃねぇから?」

「そうじゃなくて」

"とりあえず場所移そう"とスカルは人混みを逃れるために裏路地へと歩みを進めると、コロネロもその後をついていく。

「…風が僕の身体の中に入っていることがちょっと気がかりでね」

「変な事されたらたまったもんじゃねぇからか?」

「いやまぁ、それもあるんだけど
僕って、生まれつき幻術と超能力の力を持っていたんだよね
今はもう完璧にコントロール出来ているけど、超能力はふと気を緩めると思いとは裏腹に超能力が出ちゃうんだ
テレポートとか、サイコキネシスとか」

「ふぅん、それで?」

「それは、"僕"が自分の身体に入っていたから制御できていたけれど」

スカルはピタリと歩みを止めて、コロネロへと顔を向けて再び口を開いた。

 








「"僕"以外の人間が、その"身体"に入っていたら…どうなる?」












「…それは、ちょっと怖いな」

スカルの言葉を聞いたコロネロは顎に手を当て少し考え込んだ後に想像してしまったのかぽつりと呟いた。

「僕達が慌ててる中、あいつがその場にいなかったからもしかしたら無意識にテレポートを発動しちゃったのかなと思ってね…
これがサイコキネシスとか他の能力だったらちょっとね」

「他のスカルやコロネロがお前の身体に入ってたらなおさら危険度上がってたな
2人とも脳筋だしよ」

「風もそう変わらないだろう?」

「あいつはまだマシだろ
心乱さず冷静だからな、あいつらよりは幾分マシだ…脳筋には変わりないけどよ」

「とにかく早く探さないと」

「いやでも、テレポートしてるってんなら場所の特定のしようがねぇだろ」

「あ…」

コロネロに言われて気がついたのかスカルはハッとした表情を浮かべ、頭を抱えだした。

「あぁ、そうだ…こっちからじゃ探しようがないじゃないか…」

「お前、スカルの身体になって思考力低下してねぇか?」

「う、うるさいな…僕も若干そう思ってるよ…
代わるならまだリボーンのほうが…いやでも嫌だな、結局はどっちも」

「おいこら…つーか、俺1つ試したいことあるんだが」

「試したいこと…?」

頭を抱えていたスカルはコロネロの言葉に顔を向けると、コロネロは空を見上げた。

「あいつ、お前のこと大好きでいつも何処からともなく姿現すって言ってたよな」

「…あぁ…うん、そうだね…ストーカーと化してるけどそれがなにさ?」

「いんや、それ前聞いたこと思い出してよ…一か八かなんだが」

空を見上げたままのコロネロはスゥッと息を深く吸い込んだ後に大きな声を発した。











「あー!マーモンが今とんでもないあられもない姿になってんぞー、コラ!」











「おい、君なにを言って」

突然のコロネロの言葉にスカルが呆れた物言いで言うと、いきなり目の前にサァァと霧と共に見慣れたマーモンの姿が現れた。

「…マーモンのあられもない姿とはどういうことで…」

霧が収まりマーモンが息荒く話す様子を見て、スカルは顔を背け、コロネロは笑いをこらえだす。   

「…おや、コロネロにスカ…いや、違いますね…」

マーモンははたと二人の姿を視界に入れると、トトッと近寄り2人を見上げ、首を傾げながら中を見透かすように瞳を細める。

ジィィ。

「…な、なんだよ…」

「…!マーモンですね!」

「ぶはッ!」

あまりに見つめてくるマーモンにスカルは少し後ずさると、中身がマーモンだということに気付いたのか、マーモンはスカルをキラキラとした表情で見始めた。
それを見たスカルはゾゾッと悪寒が走り、普段見られないマーモンの表情にコロネロは思わず吹き出してしまう。

「おま…そんな顔出来んのかよ…ッ…可愛いもんだな」

「待って、やばい…自分の顔にすごい寒イボが…」

「え、なにがです?」

「とにかくその顔やめろフード被れちゃんと!」

「わぷッ!」

若干ズレて顔が顕になっているのを隠すようにスカルはマーモンのフードを掴んでグッと深く被せると、マーモンの口から驚いたような声が上がった。

「痛いですよ、マーモン」

「…君、僕らが入れ替わったと認識した瞬間に姿消えていたけど」

「…あぁ、そうなんですよ
なにやら視界が低くなったと思ったら違う場所にいまして
見知った場所でしたので、その点はよかったのですが」

「やっぱり暴走しちゃってたか…超能力」

「そのようですね、しかし普段は体験できないことでしたので貴重な体験が出来ました」

「でも、流石の君でも制限は無理だろうからどうしたものか…
また暴走したらたまったもんじゃな」

「それならこうしちまえばよくねぇか?」

「え、なにするつも」

ドスッ。

「うッ」

スカルが問いかけようとすると、不意に鈍い音が聞こえてその瞬間にぐらりとマーモンの身体が揺れてそれをコロネロが受け止め、"よいしょ"と脇に抱えた。

「…よし、コロネロ達と合流すんぞ」

「…確かにそれが一番手っ取り早いんだけどさぁ…なんか…複雑なんですけど」

「仕方ねぇだろ、風がお前の身体に入っていたとしても身体能力はお前だからな
楽でよかったわ」

「…悪かったな、身体能力低くて」










風捕獲成功











3/7ページ
スキ