入れ替わりパニック


「いったいこれ、どういうことだよ?!
なんで俺の身体、風になってんだ…?!」

風は珍しく声を張り上げ、慌てながら自分の身体にペタペタと触れており、状況を確認しようとした。

「うるさいな…少しは静かにしてくれる?
ただでさえ、君が風の姿になってるってだけで煩わしいのに」

すると、隣にいるスカルはいつもの煩わしさがなく、心底めんどくさそうな表情を浮かべながら風を見ていた。
そのスカルの姿を見た風は、口調と表情を見聞きし、ビシッとスカルを指差した。

「その口調…俺の身体に入ってんのマーモンか?!」

「僕としては心外だけどね…
フードがなくて落ち着かない…」

スカルは落ち着かないのか、腕を組みながらチッと小さく舌打ちをし、いつも愛用しているヘルメットを探し始めた。

「…ヘルメットは?」

「あ?いやだって今日プライベートだから持ってきてねぇよ」

「…使えない奴」

「はぁ?!」
 

スカル→風
マーモン→スカル


「お前らうるせぇぞ、少しは落ち着きやがれ」

そんな風とスカルの様子を見ていたコロネロは冷静な口調で言い、煙草を口へと咥えようとした。
しかし、それを見ていたリボーンに手で制される。

「いや、なんでお前落ち着いてんだよコラ
つーか、俺の身体で吸うなよ」

「どうせこれ、ヴェルデの仕業だろ
俺達呼び出したのはあいつなんだしよ…ったく、なに考えてんだか」

ジトリとした目つきでリボーンに見られたコロネロは、仕方なく懐へと煙草を仕舞うと、顎に手を当てて考え始めた。


リボーン→コロネロ
コロネロ→リボーン


「その当のヴェルデ本人はどこにいるんだい?
ここに来た時にはいただろう?」

自分達を呼び出した人物、ヴェルデを探そうとスカルは部屋を見渡すもいる様子はない。
近くにいたコロネロへと声を掛けると、コロネロは腕を組んで当時の様子を語りだす。

「そうだな、俺達をここに呼び出して珍しく茶を出したと思えば、"茶でも飲んで待っていろ"って言って部屋から出ていきやがって…
おそらく、あの中になにか入れてたんだろ」

「リボーン、君にしては随分と警戒なく飲んだね
ヒットマンが聞いて呆れるよ」

「…」

イラッ。

にやにやと人を馬鹿にするかのような表情に思わず苛ついてしまう。

スカルの顔で言われると腹立つな。

「…そういう暗殺部隊ヴァリアーの幹部の術士様もなにも警戒せずにがぶがぶと飲んでたもんだなぁ?」

「喉が渇いてたんだ、仕方がないだろう?
任務終わりでそのままこっちに来たしね…交通費、出してもらわないと」

「どーせテレポートで来てんだろ?がめつい奴」

「つーか、マーモン?の身体?いなくね?」

「ムム、確かに…」

風の言葉にスカルはキョロキョロと周りを見渡すも、マーモンの姿が確認できない。

今、僕の視界の中で確認できているのは…。

スカルが風の身体に。
リボーンはコロネロの身体。
コロネロはリボーンの身体。

そして、僕はスカルの身体…つまり…。










僕の身体の中には、風が…。











「つーことは、マーモンの身体の中にいるのは風ってことだな
その風はどこに…」

嫌なことを想像してしまい、スカルはだらだらと冷や汗を流していると、コロネロがそう言い出して部屋の中を再度見渡すも、姿は見えない。

「あ、あいつ…僕の身体…」

「あー…マーモンって風のこと嫌ってるもんなー
風はそんな事お構い無しにマーモンの事好きだけど」

「つーことはさ、あいつ今頃マーモンの身体好き放題してたり?なぁんて…」

リボーンの言葉に同調するかのように風はけたけたと頭の後ろで手を組みながら冗談混じりに言うも、ふと殺気を感じてスカルのほうへと視線を向けた。
すると、スカルは眉間に皺を寄せながら風へ鋭い視線を向けていることに気付き、"ひぇッ!"と情けない声を上げながらリボーンの背後へと姿を隠した。

「早くあいつの事探さないと…」

「ヴェルデの事も探さないといけねぇから、手分けするか
俺とコロネロは分かれたほうがいいだろ、身体的にな」

「そうだな、コラ
んじゃ、俺はマーモンと…」

「は、待てよ
お前なんでマーモンと組んで楽しようとしてんだ?」

リボーンがスカルの方へと向かうと、コロネロがそれを制すように肩を掴んだ。

「楽しようとなんかしてねぇぞ、コラ
別に超能力で探してもらおうとか思ってねぇ」

「思いきり思ってんだろ
俺がマーモンと組むからお前はスカルのお守りでも」

リボーンとコロネロが言い争っている最中、風はスカルの隣に立つとちょいちょいと肩をつついた。

「ムム、なんだよ」

「…これってあれだよな?
はたから見たらリボーン先輩とコロネロ先輩が俺のために争ってるってことだよな?」

風はリボーンとコロネロの様子を指差しながら同意を求めると、スカルは興味なさそうに口を開く。

「え?あぁ…うん、そうだね
厳密に言うと、僕の取り合いだけど」

「…すげぇ、優越感」

ジーンと悦に浸る風を他所に、スカルは2人の間に割って入った。

「あのさ、言い争いしてるところ悪いんだけどいいかい?」

「なんだよ」

「どうしたんだ、コラ」

「僕の超能力を期待しているようだけど、使えないみたいなんだよね
もちろん、幻術も」

「「は…?」」

「さっきから使ってみようとしても出来なくてね…
どうやら、僕自身の身体じゃないから使えないみたいなんだよ」

「…つーことはなんだ?」

「今のお前はただのクソ雑魚スカルってことか、コラ」

「そうだね、ただのクソ雑魚アホスカルって事になるね」

「おいお前ら言い方!!」

「チッ…仕方ねぇ
なら俺とマーモンで風を探して、ヴェルデはお前らで頼む
スカルは今、風の身体だからな
ヴェルデの事を力技で抑え込むこと出来るだろ」

しびれを切らしたコロネロはスカルの隣へと立ちチーム編成をし終わると、風のことを指差した。

「スカル」

「な、なんすか先輩…」











「最悪、ヴェルデの息の根止めてもいいからちゃんと連れてこい」

「息の根止めたら、俺達元に戻れなくなるからやめろよコラ」

「え、ど、どっちだよ!!」

「やれやれ…めんどくさいな…」











2/7ページ
スキ