いつもと違う姿の壁


「この姿になった日も、買い物行く前はぎゅーしてくれたのにさ
それ以降は僕からくっつかないとぎゅーし返してくれない…というか、それさえもぎこちないし」

「…前も言っただろがぁ」

マーモンから痛いほどに注がれる視線に耐えきれなくなったのか、スクアーロは深いため息をついて手に持っていた書類をテーブルへと置きながら口を開いた。

「お前小さいから力加減が難しいって」

「それは聞いたけど、一度抱いてるんだから大丈夫だろう?
理由はわかってるけど、それにしてもあからさま過ぎるんだよ、君は
僕に触れてもくれないしさ」

マーモンは少し寂しそうな口ぶりで言いながらスクアーロの片手を手に取ると、自分の頬へと触れさせる。

「マーモ」

「…僕、寂しいんですけど」

名前を呼ぶスクアーロに被せるようにマーモンは伏し目がちに呟くように言うと、頭上から"うぐ…"とスクアーロの唸り声が聞こえてきた。

「…お前、あざとさが増してねぇか…」

「あざとい…?」

「…わかってねぇなら別にいい
つか、あんま人の太ももに顔くっつけてんなぁ
くすぐったくて仕方ねぇし、絵面がやべぇ」

「絵面…君はさっきからおかしな事ばかり言うね」

「お前が鈍すぎるんだよ、アホ」

「むむッ」

"とりあえずそこから退け"とスクアーロは手で払いながらマーモンに退くように言うと、マーモンは膨らませていた頬をさらに膨らませる。

「もういいよ、馬鹿アーロ」

「あ"?!おいごら、どこに」

「おやつ食べに行ってくる
落ち着いたらまた手伝いに来るから」

マーモンはスクアーロにそう声を掛けると、扉へと歩いていきそのまま部屋から出ていった。
"パタン"と扉を閉めると、扉に寄りかかりながら小さく息を吐いた。










「…これじゃ、本当に子どもみたいじゃないか」












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