小さな姿が目にするものは?
トントンッ。
「…入れ」
ザンザスが部屋のソファーに横たわっていると、不意に部屋の扉が叩かれる音がした。
瞳を閉じながら入るように促すと、少し遠慮がちにゆっくりと扉が開かれる。
いつもよりも小さな足跡に続き、それとは違う大きな足跡。
2人の人物が入ってくるのを察したザンザスはぱちりと瞳を開けて上体を起こした。
自分の目の前に来ていたのは、先ほど談話室で見かけた小さくなっている姿のマーモンと、その後ろにはスクアーロの姿。
「あ、あの…ボス…」
「…用があるならさっさと言え」
もごもごと口ごもり、中々言葉を発しようとしないマーモンにザンザスは先を促した。
すると、マーモンは上目がちにザンザスを見る。
「…この姿になったのは、任務に失敗したわけではなくて…
油断とかもしてたわけじゃないんだ
だから、任務報酬無し、とかそういうのはやめてほしくてお願いに来たんだ」
「…」
「…ボス…?」
「…」
「…えっと、ボス…聞いてる…?」
マーモンの言葉を聞き終えた後もザンザスは鋭い目つきで見続け、その視線にマーモンはおどおどとし始める。
「あの、ボ」
ぽふっ。
再びザンザスを呼ぼうとするマーモンを遮るかのようにザンザスはマーモンへと手を伸ばし、そのまま頭に手を乗せた。
わしゃわしゃわしゃ。
「えっ…う、うむ…え、ぁ…ボス…?」
そのまま手を滑らせて少し雑に頭を撫でると、マーモンは一層不安そうにザンザスを見上げる。
しばらくなにも言わずに撫で続けていたザンザスだったが、ふっと手を離して再びソファーに横になった。
「…ボス、あの」
「…」
「…スクアーロ…これ、どういう意味だと思…え、なにその顔…」
「…るせぇ…こんのクソボスめがぁ…」
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