小さな姿が目にするものは?


「うーん、困ったなぁ…」

「うっししし、マーモンまじウケんだけど」

「笑い事じゃないよ、ベル」


「…?」

なんだぁ、部屋の前で話し声聞こえるが…。

スクアーロはソファーに腰掛けて書類を眺めていると、ふと部屋の外から聞こえてくる会話に耳を傾けた。

声からしてベルとマーモンだろうが、任務から帰ってきて報告ってところだろうが…その割に部屋に入ろうとしねぇな。
いつもならすんなり入ってくるのに。

「早く部屋開けろよ」

「やだよ、君だけで行ってきて
僕は当分部屋に籠もってるからさ」

「報告してさっさと部屋行けばいいだけじゃん」

「だからそれが」

2人の会話からしてなにかしらがあったのは明白。
失敗した雰囲気でもねぇ…マーモンがまたなんかへまでもしたのか…。

つーか、部屋の前で話してねぇでさっさと入ってこいっての。

「はぁー、もういいや
スクアーロ、入んぞー」

「むぎゃッ!」

痺れを切らしたのか部屋の扉を開けだすベルと、マーモンの叫び声。
スクアーロが返事をするまもなく入ってきたベルを見てスクアーロはため息をついた。

「てめぇ、ノックぐらいしろっていつも言ってんだろぉ」

「どーせスクアーロいんの分かってるし、いらねーじゃん?」

「その俺がしろって言ってんだろが!…ったく…ん…?」

そこでふと違和感に気付く。

「おい、さっきマーモンの声してたがマーモンはどこにいんだ?
お前ら任務の報告しに来たんだろ?」

スクアーロの視界に入っているのはベル一人のみ。
先ほどの会話からしてマーモンがいた事は確か。
それなのに、今姿が見えないということは部屋に先に戻ったのか…。

「マーモンならいんよ、ここに」

「あ"?いるって…」

そう言われるもやはり見当たらない。

スクアーロが見つけられていないのを見たベルは"ほらよ"となにかをポイッとスクアーロに向かって投げ飛ばす。

「ッ?!」

「ゔぉ?!お前、いきなりなにを投げ」


慌ててそれを受け止め、スクアーロは文句を言おうとするもピタッと動きを止めた。
スクアーロの腕の中にいるのは、明らかにヴァリアーにはいないであろう子どもの姿。
見た目からして恐らく10歳くらいだろうか。
その子どもはスクアーロを恐る恐る見上げた後にススーッと視線をそらす。

「…う"ぉぉい、お前このガキどこから連れてきたぁ」

「だーから、王子さっき言ったじゃん」

まじまじとその子どもを見ながらベルに問いかけると、ふと見覚えのある頬の逆三角のマークが気になった。


これは、確かマーモンと同じマーク…。


他にも、藍色の髪に、同じ色の大きな瞳。
艶々の唇…明らかに、共通点があり過ぎる…。


「…こいつ…まさか…」

「そ、そのまさか」










「それ、マーモンだよ」










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