例え切れたとしても
「マーモンマーモン、今日って任務あんの?」
談話室でルッスーリアからもらったクッキーを手に取り食べようとした瞬間、ベルが中へと入りながら"マーモンみっけ"と言ったあとに問いかけてくる。
「今日?今日は非番の予定だけど」
「うししッ、なら街行かね?
新しく出来たカフェに美味しいパンケーキあるって話だけど」
「パンケーキ…」
その言葉に惹かれ、マーモンは少し考え込んだ。
今日特にやる事決まってなかったし、いいかもな…。
「うん、い」
返事をしようとすると、ちょうどタイミングよく扉が開かれ2人が顔を向けると片手に書類を持ったスクアーロの姿があった。
「やぁ、スクアーロ」
「またいつものコンビかぁ
今日はどうした?」
「ししッ、マーモンとデートすんの」
「デートだぁ?」
"デート"という言葉にスクアーロはピクッと反応を示して難しい表情になる。
「ちょっと、誤解生むようなこと言わないでよ」
「誤解も何もねーじゃん?
そーいうわけで、今日はマーモン借りてくから」
「わ、ちょっと」
ニンッとはにかみながらマーモンの腕を掴み、早速街へと繰り出そうとするベルはスクアーロの横を通り過ぎた。
パシッ。
「ッ!」
「!」
マーモンが通り過ぎようとした中、いきなり腕を引かれてそのままスクアーロの腕の中へと収められてしまい、マーモンとベルは驚いたようにスクアーロを見る。
「なんだよスクアーロ、こいつは今から王子と」
「わりぃな、ベル」
「あ?」
「こいつは俺のだから、デートさせるわけにはいかねぇ」
「!」
…こいつは俺の…僕はスクアーロのもの…。
頭の中でぐるぐるとスクアーロの言葉が回り、マーモンは熱が集まる顔とにやける口元を隠すように両手で顔を覆い隠した。
「はぁん?そんなんで王子が行くのやめると思ってんのかよ
マーモン、お前そんな事言われてるけど王子と…」
スクアーロと突然の言葉に驚いた2人だったが、ベルが最初に口を開きながらマーモンを見る。
しかし、マーモンは両手で顔を隠して黙り込んでいる。
「…スクアーロ」
数秒間の沈黙のあと、やっとマーモンが口を開き、名前を呼ばれたスクアーロが顔をのぞき込んだ。
「なんだぁ?」
「…デートじゃなくて、お守りなら…いいのかい?」
「…ぎり許す」
「待てよ、お守りって単語は王子が逆に許せないわ」
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