例え切れたとしても


「…」

スクアーロの言葉に瞳を丸くしていると、フイッと顔を逸らされてしまい表情がわからなくなってしまう。

嫉妬…スクアーロが嫉妬…誰に…。
…あ、1人だけいるな…。 

「…ベル」

考えると1人の人物が脳裏に過ぎり、名前を出すとスクアーロはピクッと小さく反応を見せた。
その反応からして、嫉妬の対象がベルであることがわかる。

「まぁ、そうか…そうだよね…
僕とベルの関係性は、君とボスの関係とは違うけれどお互いからしてみれば同じ嫉妬の対象にはなるのか」

「そんな分析するんじゃねぇ…くそが」

「ベルは僕に対してスキンシップ激しいから、相当我慢してるんじゃない?
流石に、赤ん坊の時みたいに今は抱っことか肩に乗せたりしないにしろ抱き着いたりはしてくるし」

「う"ぉぉい、わかってるならさせるんじゃねぇぞ」

「そうしたいのは山々だけど…その後のベルのフォローが大変だよ?
この前、忙しい時に抱き着かれて怒ったら拗ねてここ一帯の殺し屋を殺しちゃったし
あと、拗ねてるベルは可愛くて放っておけない」

「…最後の一言は聞かなかったことにしといてやる…今回だけだからな」

「でもそっか…君が嫉妬ね…ふぅん…」










スクアーロが嫉妬…嫉妬かぁ…。










「…お"い」

「…なに?」

「なんでそっち向いてやがんだ、こっち向けぇ」

無意識にスクアーロから顔をそらしており、顔を見せるように言われるも中々向けることができない。

「…ごめん、ちょっと今は無理…君の顔見てられない」

「あ"?なんで見れねぇんだよ」

「いや、本当…今はちょっと…」

「…いいから黙って見せやがれぇ!」 

「ムギャッ!!」

一向に見せる気配がない様子に痺れを切らしたスクアーロはガバッと勢いに任せてマーモンをソファーへと押し倒し、両手首を頭上へと拘束する。

「どうせ、俺が嫉妬してるって事に内心笑っ…て…」

嘲笑気味に言い続けようとしたが、マーモンの顔が仄かに赤く染まっており、眉を下げながらスクアーロを見上げていることに気付いて言葉の勢いが弱まっていった。

「…あぁ、もう…なんで見るかな」

「…なんつー顔してんだ、お前」

「どんな顔をしてるのかはわからないけど…君が嫉妬してるって聞いて…」










「…ちょっと…というか、すごい嬉しいなって、感じちゃってるんだ」

「…」

「こんな事言うの、おかしいってわかってる
…だけど、君は普段そんな素振り見せないからそれだけでも、すごく嬉しいんだ
こう言ったら君は不快に思ってしまうかもしれないけど、ボスのことよりも、僕を思ってくれてるんだって…」

困ったように笑いながら言うマーモンの様子をジッと聞いていたスクアーロは、気恥ずかしそうに少し視線をそらした後、拘束していた手を離してマーモンを優しく抱きしめた。

「そりゃまぁ…大事に決まってんだろが
ボスのことも大事だが、それとこれとは話が違う」

「…んふふ、そっか…でも、1つわがままを言ってもいいかい?」

「なんだぁ?」

マーモンは嬉しそうにはにかみながらスクアーロの頬へと手を伸ばして優しく触れる。










「思うのはいいけれど、もう少し行動に出してくれたらなぁ、なんて」

「…う"ぉぉい、レヴィと同類になるだろがぁ」










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