飲酒注意報
「マーモン、お部屋につきましたよ」
あの後、マーモンの部屋へと戻ってきた風は抱いていたマーモンをソファーの上へと下ろして目の前にペットボトルを置く。
「ありがと…すまないね」
「大丈夫ですよ、私の方こそちゃんと確認をせずに申し訳ないです
これ、ヴェルデが渡してくれたお薬です
なんでも、アルコールの分解を早めるとかで」
「むむ…これか」
身に覚えがあるのか、風から薬を受け取るとそのまま口の中へと入れて水で流し込む。
「あの、マーモン」
「…?なに?」
蓋を閉めながら風に顔を向けると、珍しく眉を八の字にしておりマーモンは驚いてしまう。
「なんだい?君らしくもない顔をして」
「いえ…1つ、お聞きしたいことがありまして」
「…」
少し間を開け、言葉を選んでいるかのように風が黙り込んでいるのを見てマーモンは小さく息を漏らした。
「ヴェルデのことだろう?」
「…話、聞いていたんですか?」
マーモンの言葉に驚き目を見開きながら顔を上げる風。
「まぁ、うっすらとね
君たちの声、大きいから」
「それは…すいません
どうしても気になってしまって…」
「君が前々から気にしているのは気付いていたよ
どうせ、言っても支障はないことだし」
そういいながらマーモンは少しふらつきながらも立ち上がり、風の服を掴んだ。
「君のことだ、どうせ僕の世話をするつもりだったんだろう?
少し飲みながら、話そうか」
「僕と、ヴェルデのことをね」
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