飲酒注意報
「お前、マーモンの事部屋に送ったんじゃなかったのか?」
風がテーブルに乗っている水の入ったペットボトルを手に取る様子を見ながらリボーンは問いかける。
「えぇ、送りました
その時に持っていたチョコレートをあげましたら、洋酒入りだったもので…このような状態に」
マーモンを抱え直しながら一旦落ち着こうと椅子へと座りながら説明をする風。
ヴェルデは"あぁ…"と声を漏らしながらススッと風から視線を逸らした。
「少しのアルコールでも酔ってしまうからな…そいつは
アルコールの分解を促進する薬を渡すから飲ませておけ」
「…ありがとうございます」
懐からカプセルを取り出すと風へと投げ渡し、風はそれを受け取りながらジッとヴェルデへと目をやる。
「おい、なんだその目は」
「いえ…今まであまり聞かないでいたのですが…
やたらマーモンの事について詳しいな、と」
「…」
「そんなに詳しいのか、こいつ」
「はい、というかマーモンが懐いていますし」
「貴様らがやたらめったらそいつを弄るからだろう
それに、治験やらなにやらで私の実験に協力をしてもらっていたから貴様らよりも過ごした時間が長いだけだ
そいつは一定の距離感をもたないと」
「そこですよ、私が前々から気になっているのは」
スッと瞳を細めながら風はヴェルデへと見ながら言う。
「もしや、マーモンの事…」
「おいやめろ、笑えない冗談を言うな」
ヴェルデはめんどくさそうな表情をした後に両手を上げてなにも無いことをアピールした。
「前々から言っているが、私はマーモンにそういう感情を抱いていない
それは、確かだ」
「ならばなぜ」
「それは」
「…む…」
ヴェルデが口を開こうとした時、風のヴェルデ腕の中で眠っていたマーモンが目を覚ましたのか声を漏らしながらごしごしと目を擦り始める。
「あぁ、起こしてしまいましたか…すいません」
「むむ…む…うん…水…口の中、酒で気持ち悪い…」
「飲めますか?」
「…大丈夫…」
頭が冴えていないのか少しゆっくりとした動作で風から蓋が開いたペットボトルを受け取り少しずつ口の中に含んで飲み込むを繰り返した。
「ぷは…ありがと、もういらない」
「なら残りは後にしましょうか
お部屋、戻ります?」
「む…戻る…風、お願い」
「ん"ッ」
「ぶはッ」
手を伸ばされ、普段では見られない甘えているかのような姿に風は悶えながら抱きしめるとその様子を見ていたリボーンはおかしくて吹き出してしまう。
「くくッ、あのマーモンがこんな事するなんてなぁ
写真でも撮っといてやるか」
「リボーン、撮るのであれば可愛く撮ってください
そして私に送信した後、貴方のスマホからはデータの削除をお願いします」
「誰がんな提案にのるかよ、あほ」
「…馬鹿どもが」
カシャリと一枚スマホで写真を撮るリボーンと風を見ながら、ヴェルデは深いため息をついた。
「あとでマーモンにキレられるのが落ちだぞ…」
「お前が言わなきゃいいんだよ、ヴェルデ」
「そうです、共犯ですよ」
「まっぴらごめんだ」
→