僕を好きな君と君が嫌いな僕
「...行ったな」
窓から颯爽と飛び降りた風の背中を見送った後、マーモンは小さく呟いて開けられた窓へと近づいて外を見た。
もうすでに風の姿はなく、先程まで騒がしかった敷地内もおそらくベルがスクアーロに伝えてくれたのだろう。静けさが戻っていた。
マーモンは窓を閉め、疲れたような足取りでベッドへと近づきそのままダイブして体をベッドへと預ける。
結局、あいつは何がしたかったんだ...。
まさか、いまだに僕の事好きだとは思わなかった。だって、数十年だぞ?呪いを受けてから姿を消してさ。
あいつも顔はいいし、性格もまぁ...お節介だけど他の奴等からしたらいいんだろう。僕は嫌いだけど。
流石に諦めろよ...全く。
「...うむむむ...」
睡魔からだんだんと意識が朦朧としてきてうとうとし始め、枕へと顔を押し付ける。
"また明日"
...そういやあいつ...明日とか...言ってたよう、な...。
ふと、去り際に風が告げた言葉が引っ掛かるも、マーモンは暗闇へと意識を手離した。
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