飲酒注意報
「…ここですかね」
リボーンが今晩あると言っていた飲み会の会場であるホテル。
風はスマホに送られた会場の住所を確認しながらホテルを見上げた。
まさかこうして再び集まることになるとは…。
呪いが解かれてから集まるのは初めて。
各々呪いが解かれたことにより、新たに人生を歩む為に忙しくて中々集まれなかったんですよね。
たまにはこのような飲み会をするのも楽しそうです。
…しかし、1つ気がかりが。
リボーンとの電話の最中、"マーモンを確保した"と告げられ問い詰めようとするも、"それじゃ、夜にな"と早々に電話を切られてしまった。
今日はマーモンは任務があり、伺う予定ではなかったので現在のマーモンの動向がわからない。(マーモンが任務の時はGPSは見ないようにしています。仕事の守秘義務があるので)
「…まぁ、リボーンと共に来るということでしょう
どのようにマーモンを説得したのかは定かではありませんが
先にリボーンに会って話を聞かないと…」
「なんだ、貴様も呼ばれたのか」
背後から声をかけられ振り向くと、そこにはヴェルデの姿があり風へと近寄ってきた。
「ヴェルデ、貴方も来たのですね」
「別につるむ必要もないがリボーンに脅されたので仕方なくだ」
「あぁ…確かに電話でそのような事を言っていましたね
彼ならやりかねないので、来て正解だと思いますよ」
「迷惑なことだ、まったく…
…なんだ、マーモンは一緒じゃないのか?」
「えぇ、マーモンは今日任務ですので元々行かない日でして」
「スケジュールも把握しているとは…なんとも恐ろしい奴だ」
「ふふ、嫁のスケジュール管理も夫の務めですので」
「そうか、だがマーモンの前でその発言は控えろ
面倒なことになりそうだ」
「おーおー、珍しい組み合わせじゃねぇかコラ」
「いでででで!痛い!コロネロッ…先、輩…」
「おや」
「…またうるさいのが来たな」
前方から現れる2つの人影。
だんだんと近付いてくると、コロネロと首根っこを掴まれているスカルであることがわかった。
「うるさいとは随分な挨拶だな…コラ」
「お久しぶりです、スカル
コロネロは以前お会いしましたよね」
「そうなのか?」
「おぉ、デート服を選んで欲しいとかでな」
「…デート」
「その節はお世話になりました」
「そんで、そのデートはどうなったんだコラ」
「ぐぇッ」
掴んでいたスカルをポイッと手離し、コロネロは風の肩を組んでニヤニヤとしながら問いかける。
「貴方のおかげで、よりよいひとときを過ごせましたよ」
「ならよかったぜ!
しっかし、お前がまさかデートとはなー!
いい女でも見つけたのか、コラ?」
「え?えぇ、まぁ…」
「…」
コロネロの言葉に困ったように笑っていると、ヴェルデからの視線を感じる。
『おい、もしかして貴様』
『コロネロにはマーモンとのデートと言うことを伝えていなかったので、恐らく勘違いをしているかと…
赤ん坊になる以前、彼はいませんでしたから』
『あぁ…なるほどな』
「?どうしたー、お前等」
2人が悟られぬよう視線で会話をしていると、コロネロが不思議そうに聞いてくるので、"いえ、なにも"と風は微笑んで誤魔化した。
「しかし、貴方がスカルと一緒というのも珍しいですね」
「げほッ、ちげぇよ!
こいつ、俺が今日他の用事あるってのに無理矢理」
「だぁれが、こいつだ、コラ」
「ひぃッ!すいませんコロネロ先輩!」
スカルの言葉遣いに瞬時に反応を示したコロネロは睨みつけながら風から離れてスカルの背後へと回ると肩を組んでそのまま首を締め上げ始める。
慌てて謝るスカルだったが、締め上げられたせいでだんだんと顔色が青くなっていく。
「どうせお前、俺とリボーンに会うのが嫌で嘘ついてたんだろ?」
「えッ?!あ、あー…はは…ッ」
「だーから俺が、リボーンに頼まれて、直々に連れてきてやったんだ
感謝しろよ、コラ!」
「あぁはいッ!ありがとうございます!早く離して死…」
「コロネロ、そろそろスカルが本当に死んでしまいそうなのでその辺で」
「なに騒いでんだ、お前等」
「あぁ、リボーン……ちょうどいいところに
コロネロの事を止めて…」
ぶくぶくと泡を出し始めたスカルを救おうとする風まったが、リボーンの声が聞こえてきて仲裁するように頼もうと声のする方へと顔を向けて動きをピタリと止めた。
「なんだ、風、どうし…」
いきなり止まる風の動きに疑問を抱きながらヴェルデもリボーンへと顔を向けるも、あるものが目に入り同様に動きが止まる。
「…おい、なんだその白く大きな袋は
季節外れのサンタクロースか?」
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