最近俺の教育係がおかしい件
「…さて、ここですかね」
風はスクアーロに案内された通り廊下を真っ直ぐ歩いていくと訓練場と書かれた扉の前に立ち止まる。
スクアーロに結婚の許可を貰えたことですし、あとは婚姻届を提出するだけですね。
さっさとマーモンにも報告をしないと…。
気分を高揚させながら風は扉へと手をかける。
「ッ…い…ぁ」
「…?」
今、なにやら声が聞こえてきましたかね。
声、というよりもなにやら吐息混じりな…。
声の感じからマーモンだとは思いますが。
風は不思議に思いながら扉へとそっと耳を当て中の会話を伺った。
扉越しの為に、声量は小さめだがかろうじて声は聞こえそう。
どんな会話を…。
「マーモン、お前、あんま動くとやりづれぇんだけど」
「ひッ、だって、我慢出来ない…ッいた…」
「急かすなっての、痛い思いすんのお前だかんな」
「む…ぅ…うう…」
…これは、いったい。
中から聞こえる2人の会話に風の動きは止まり、呆然と立ち尽くす。
この会話は…少し息が乱れた感じもして…マーモンの声も…。中でなにを…。
あらぬ事を想像し動揺をするも、風はしばらく考え込んでいると再び声が聞こえてくる。
「ベル…ッ…はや、く…」
「ッ」
バァンッ!
「「!」」
風の中でぷつんと何かが切れる音が聞こえ、考えるよりも先に扉を勢いよく開けていた。
その音に気がついたのか、ベルとマーモンの2人の視線が風に注がれる。
「あーん?お前、この前不法侵入した…」
「ッ…風…」
「貴方方、いったいなに…を…」
2人の姿を確認するように目を細めて状況を確認すると、マーモンがワイヤーに絡まっておりベルがそのワイヤーに手をかけている姿が目に入り歩みを止めた。
これは…。
「…SМプレイはまだ早いと思いますよ…?」
「あ?」
「…馬鹿なこと言ってないで君も解くの手伝ってくれない?」
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