いつまで経っても慣れなくて
「ん…んむ…んむむむ…」
…なにか…苦しい…。
マーモンは不意に感じる苦しさから起きてしまい、まだ重たい瞼を頑張って開けようとし、自分の顔を布団へと擦り付ける。
なにかに抱き着かれて…暖かくて、気持ちが良いけど…苦しさのほうが勝って…。
そう思いながらなんとか逃れようと身動ぎをして顔を動かした。
「…ん…」
「?!ッ…な…」
すると、突然風の顔が目の前に現れ思わず身体が硬直してしまう。
風は未だに眠っているのか瞳は閉じており、時折寝息が聞こえてきた。
び…っくりした…。
ドッドッと驚きから早まってしまった鼓動を落ち着かせるように自分の胸に手を当て、少し落ち着くとチラリと風の顔へと視線を送る。
そうだ、任務のためにジャッポーネ来たらいつもの如く風が現れて、一緒にホテルに泊まることになったんだった…。
…というか…苦しい原因って…。
「こいつが僕を抱き枕にしてるからじゃないか…」
未だに眠っている風の腕の中から逃れようと、マーモンは風を起こさないように動いてみるもびくともしない。
「んむむ…むきゅ」
むしろ、それに合わせて腕の力が微かに強まりってしまっている気がする。
…無理。限界。
しばらくその行動を繰り返すも、マーモンは諦めたように身体の力を抜いた。
…今何時だろ…まだ明るくないから朝方とは思うけど。
風が僕より早く起きてないなんて珍しいな…って、朝方だから仕方ないか。
こいつだって、そんな1日中起きてるわけないだろうし。
…それにしても…。
マーモンはチラリと自分を抱き締めている風の身体へ視線を向ける。
…なんで上半身裸なんだよ、こいつは。
確か、眠る時はなにかしら着ていたと思ったんだけど…あれ?着てたっけ?
たぶん、代謝高くて暑くて脱いだのかもしれないけど…。
そう思いながら布団の中を覗くと、下半身はズボンを履いており、マーモンはホッとした表情を浮かべた。
…よかった、ズボンは履いてる…。
僕のパジャマにも乱れた所はないし、なにかされたと言うわけでもなさそうだ。
それに、特に身体に痛みとか…そ、そういうのも…な…いし…。
"…むっつりだな、お前"
「…」
脳内で考えていると、昨日会ったリボーンに言われた言葉を思い出してハッとし、マーモンは"ムムム"と唸りながら熱が集まる自分の両頬に触れる。
…これじゃ…。
「…リボーンの言う通りじゃないか…」
「なにがです?」
「いや、だからリボーン…」
…ん?
ぽつりと呟いた独り言。
それなのに、なぜかそれに反応するような声が聞こえてきてマーモンは疑問を抱く。
今の声って…。
ふと顔を上げて見ると、先ほどまで眠っていたはずの風の瞳は開かれており、視線が合うと風はにこりと優しげな笑みを浮かべた。
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