甘えるのが苦手なら


3日後。

「…とりあえず、私の改良した薬が無事に効いたようでなによりだ」

ヴェルデの研究室。
パサッとデスクに資料を置きながら声をかけるヴェルデに気付き、風は口につけていたティーカップをテーブルへと置いた。

「これほどまでに効果が出るとはな
短時間でこれだけの成果が出るものを作るとは…自分の才能が恐ろしいな」

「貴方の研究の進歩ですね、おめでとうございます」

自画自賛をする様子にパチパチと拍手を送ると、ヴェルデの視線がこちらに向けられる。

「…それで、当事者のマーモンはいないのか?
薬の効果が切れているのか、現状を知りたかったのだが」

「残念ながら、本日は同行できませんでした
少しお疲れのようで、私が朝マーモンの元へと行った時には眠っていましたし」

「…そうか」

ヴェルデの表情が、何とも言えないような表情へと変わり、風はハッとする。

「や、やましいことはなにもしていませんよ?!
ただ、マーモンをくたくたになるまで甘やかして、たくさんぎゅーをして、そして」

「言うな、同胞の生々しい恋愛談を聞きたくはない」

「おや、それは残念です」

嫌な表情を浮かべてキッパリと言い放つ姿に少しシュンとするも、風は前日までのマーモンの様子を思い浮かべる。










"風、ぎゅーして"










"頭撫でて"










"僕に…たくさん触れて"












「…ふふ、それにしても…よいひと時でした…」

「おい、ひどい顔をしてるぞ」

「ひどい顔かどうかはわかりませんが…あまりのマーモンの可愛さを思い出してしまい、つい表情が緩んでしまいました
貴方にも見せたかったですねぇ…見せるつもりはありませんが」

「聞く気もないし見るつもりもないから安心をしろ
それよりも、報告が済んだのだからさっさと帰れ」










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