鈍感注意報


「いくら怪我人とはいえ、他の男の前で脱ぐなんて、ましてや私の前で脱ぐのはだめですよ!」

グググッと力を込めてマーモンの服を再度脱がないようにする風と、今すぐ脱ぎたいマーモンの攻防が始まった。

「ちょ、折角痛みに耐えながら脱いだっていうのに」

「貴方は少し羞恥心を覚えた方がいいです、ご馳走さまでした!」

「羞恥心って、別に同じ男じゃないか
君ってたまに面倒なことを言うね...」

「面倒ではありません、一般常識的な話ですよ!」

「とりあえず、シャワーだけ浴びさせてよ
というか、どうせ動くの辛いから手伝ってくれても」

「有難いお誘いですが、駄目です!
流石に私が我慢できませんし、痛むなら無理に入らなくてもいいでしょう?!
身体を暖めたらむしろ悪化してしまうかもしれませんし!」

「ムムムム、でも汗でべたついて嫌なの...もう、仕方ないな」

お互い一歩も引くことはなくしばらく睨みあっていたが、マーモンは疲れたように息を漏らして服を握っていた手を離した。

「ようやくわかってくれましたか...」

マーモンの態度の変化にホッと安堵の息を漏らす風。










「なら、身体拭いて」

「...はい?」










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