頭の中では分かっているが


「僕はまたお風呂入ってくるけど」

部屋に戻ったマーモンは出る前にソファーに置いておいたパジャマを手にしながら風へと声を掛けた。

「一緒に入ります」

「君だってさっき入ってきたんだろう?
別に僕に合わせなくてもいいんだけど」

「そういうわけではありません
先程言ったではないですか、貴方がまた痩せているようですので確認をしたいと」

「確かに言ってたけど…」

ジトリとした目つきでゆっくりと近付いてくる風にマーモンは後退りながら視線をそらす。

別にもう一緒に入るのは慣れた…といえば慣れたけど…前とは関係性が違うわけだし…。

「マーモン」

「ッ…」

考えていると風がスッとマーモンの顔をのぞき込み、驚いて一歩後ろへと下がってしまう。

「な、なに?」

「…それほどまでに警戒しなくても、入浴中はなにもしませんよ?」

マーモンの考えを見透かしたのか、風はそう告げると安心させるようにマーモンの頭へと手を伸ばして優しく撫でる。

「本当に、貴方の身体が心配で確認をするだけですから」

「…べ、つに警戒はしてないけど…」

「まあ…」

顔をそらして呟くように言うマーモンを見つめながら、風はそっと耳元へと唇を寄せた。










「その後の事は、保証できませんがね」












「ッ!!」

「ふふッ」

風の発言にマーモンの顔がボンッと真っ赤になると、風は反応に満足そうに微笑んだ。

「食事前まであんなに挑発的な態度だったじゃないですか」

「いや…あれは…君が女性に話しかけられた事に腹立ってたからつい…」

「…まぁ、いいでしょう
先に入って待っていますね」

もにょもにょと小さな声で話すマーモンを横目に風は先に浴室へと入ってしまい、パタンと扉が閉められマーモンは自分の両頬を手で押さえた。
仄かに自分の手から伝わる体温が、熱く感じる。

え…本当にするの?今日?あいつと…?
いや、確かにそういう関係になったし、あいつが前々から僕にそういう事をしたいという思いはひしひしと伝わってきてた。
伝わってきてたけど…。
あいつ、僕のこんな身体に性的興奮するのか…?!
さっき風も言ってたけど、そんなに肉とかついてないから抱き心地悪いと思うし、興奮要素皆無な身体だよ?
それでもあいつはするんだろうけど…けど…!











"マーモン"











「…ッ…あいつのこと、挑発しなきゃよかった…」










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