頭の中では分かっているが
「美味しかったね、ご飯」
「えぇ、そうですね」
食事を終えて、部屋へと戻る為に廊下を歩きながら2人は横並びで会話をする。
「バイキングだったから色んな種類食べられたし、君も満足したんじゃない?」
「そうですね、私の場合は他の人よりも食べる量が多いですし」
「うん、あまりの多さに少し驚いた
君と食事ってそんなにしたことないからね
いつもは僕にお菓子とか持ってきていて、君が食べる姿は見たことなかったから」
「私は貴方の姿を間近で見れるだけで幸せですし、お腹いっぱいになるので」
「…あっそ」
「というか、マーモンはお腹すいたと言っていた割に食べなさ過ぎです
おかわりもせず、ほんの少量だったではないですか」
「ムム、あれが普段の僕の食事量だから仕方ないだろう?」
「ほら、こんなに細くて…ちゃんと食事をバランスよく取らないとだめですよ?」
「ムッ」
歩みを止めて風はマーモンの腰へと両手を伸ばし、ソッと触れながらウエストの細さを確認し始め、マーモンはピクッと反応を見せる。
「…おや?」
「ちょっと、くすぐったいんだけど…そんなにしつこく触らないでくれる?」
触れてなにかに気付いたのか、風が声を上げながらウエストから腰にかけてゆっくりと触れ、くすぐったさからマーモンは声を漏らし行動を制すように言葉をかけた。
「…マーモン、貴方また痩せましたか?
前よりもウエスト…と腰回り辺りが細くなってますよね…?」
「いや、そんなことは…まぁ、最近は任務続きでいつもよりも幻術使って頭働かせてたからかもしれないけど」
風からの指摘にマーモンは最近の自分の生活をふと思い出す。
確かにここ最近、外での任務が多くて幻術使ってたし…任務の合間に糖分補給はしてたんだけどな…。
「これは先程の話ではありませんが、ちゃんと貴方の身体を確認する必要がありますね…」
「確認って、そんな大袈裟な」
「大袈裟ではありません、貴方はいつも軽く考えているようですが結構深刻ですからね?
本来であれば、貴方の身長だともう少し体重が無いといけないというのに平均を遥かに下回って痩せの状態なのですから
任務中、忙しいのは分かりますがだからと言ってチョコなどの菓子を少し食べただけで食事をはい、終わりというのは行けません
第一、任務は貴方の場合頭も身体も動かすのですから尚更食事はですね」
やばい、始まってしまった…風のお説経。
自分の腰に触れた状態で淡々と説教をし始める風を見てマーモンはうんざりとした表情を浮かべる。
こうなったら本当に長いんだよなぁ…幻術で逃げてしまおうか。
いやでも、またどこぞの馬の骨かも知らない人に声かけられるのも癪だし…うーん…。
「そもそもですね、マーモン貴方は」
「あーもう、分かった分かった
お説経は部屋に戻ってから聞くから、とりあえず部屋行くよ」
「あ、ちょっと」
腰に触れていた風の手を取りマーモンは部屋の方へと歩き出そうとすると、風はなにか言いたげな表情を浮かべながらも渋々歩き出す。
「まだお話は終わってません」
「分かったって、部屋でちゃんと聞くよ」
「それに、お説経ではありませんよ
貴方の事が心配で…」
「心配してくれてるのはちゃんもわかってるよ」
「…ならいいのですが」
「それに、人目につくところでさっきみたいなのやめてよね」
「さっきみたいなのとは?」
「腰とか、そういうところ触るのだよ
まったく、君の手つき厭らしいからくすぐったくて仕方ない」
「厭ら…ッ?!わ、私は別にそういう意味で触ってはないですからね?!
そりゃ、少しは下心はありますが」
「あるのかよ、下心…ったく…君ってやつは…」
「…流石に興奮はしてないよね?」
「…ぎ…ぎりしてません」
「…ぎりなんだ」
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