根本的な話だけれど


風と付き合うことになって早1週間。
風がほぼ毎日…週6来るのは変わらずで。

はっきり言って、今までの生活と変わりはない。


通帳をテーブルへと置いて、ぽふりとソファーに横たわり、天井を見上げて、ここ1週間の風との出来事を振り返る。


付き合って、と言われた時はなにかしら変化があるものだと思っていたけど…まぁ、元が元だからな…。
不法侵入して、僕に甘いもの食べさせて、甘やかせて…。

あ、でも…僕の身体に触れる頻度は多くなった気がする。


スッと右腕を天井へと伸ばしてジッとその手を見つめた。


僕の手に触れて、優しく握って…。
頭にも触って撫でてくる…子どもじゃないのに。

あとは…ほっぺとか…手の甲とか…指先とかに…キス…してきたり…。

「…マーキングかなにか、なのかな…」

あいつならやりかねない。

自分の手を見つめた後に、指先を唇へと触れさせる。












…。












「…あほら…し…」

ふと我に返ったマーモンは軽く頭を振った後に上体を起こした瞬間、風がソファーの後ろに立っていることに気付きピタリと動きを止めてしまう。

「こんにちは、マーモン」

「…いつからいたの?」

「え?貴方が通帳眺め始めた時からなので…1時間ほどかと」

「…」

そんな前からいたのかよ。
全然気付かなかった…。

「それならそうと声かけてよ」

「いえ、なにやら考え事をしていましたので気付くまでちょっと、待ってみようかなーって」

「…あっそ」

「今日のお菓子はプリンにしてみました
最近はケーキが多めでしたので」

「ム?おい、なにして」

そう言ってプリンの入っている袋を置き、マーモンが先ほど唇に触れていた右手を優しく掴んで自分の口元へと運んでいく風を、マーモンは不思議そうに見つめる。
すると、風はそのまま指先にキスを落とし、にこりと柔らかな笑みを浮かべた。











「ふふ、間接キス、ですね」










「…またそういうことを…
トイレ、行きたいから離してくれる?」

「おや、それでは一緒に」

「来なくていいから」

立ち上がり風の手を払いながら言うと、さも当然かのようについてこようとする風にピシャリと言い放ち、マーモンは洗面所へと入るとそのまま扉をパタンと閉めた。

「…」

あぁ、くそ…。

風の唇が触れた指先をジッと見つめた後、フードをグイッと引っ張り深く被り直した。












…僕と同じ事、しやがって…。











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