今後の話をしましょうか
「君のような優男は経験は豊富だろうけど、僕はなにもかも君が初めてなのさ
だから、少しお付き合いとかは待っていてほしい」
チラリと風を見上げると真顔で見下ろされていることに気付き、"あれ、なんか変なこと言ったかな?"と首をかしげた。
「おい、なんで黙るんだよ」
「いえ...」
「貴方の初めてを貰えたことが嬉しくて感動していました」
「...」
こいつって奴は...。
「ですが、貴方がそのように言うのならば仕方ありませんが...マーモン」
「ム?」
「初めての事から逃げ続けていると、それを経験するまでの時間が勿体ありません
それならば、早めに経験しておくのも手かと思いますよ?」
「それはわかっているけど、僕にも心の準備が」
「心の準備もなにも、貴方も先程言ったでしょう?
付き合うと言っても今までの日常となんら変わりはありません
まぁ...そうですねぇ...変わるとするならば...」
「ッ...?」
少し考える素振りを見せた後に風はマーモンの肩をトンッと軽く押してソファーに横たわせると、上に覆い被った。
「おい、なにを」
「お付き合いをする以前は貴方との接触を控えていましたが、お付き合いをするとなるとやはりそういうことは後々することになりますよね」
「...?言っている意味がわからないし、それになにより君は接触を控えていたって言ってるけどそんなことなかったと思うんだけど」
「控えていましたよ?本来だったら貴方の肌に直接触れてあんなことやこんなこともしたかったのですが貴方に嫌われまいと必死に抑え込んでいたんですからね?」
「...あんなことやこんなことって」
「実例を言えばリボーンが貴方にやろうとしていた事ですよね」
「...あぁ、性行為か」
「貴方の口からそのような言葉が出てくるとは...」
「どうせまた興奮するとか言うんだろう?」
「おや、よくわかりましたね」
「君の思考は単純だからわかるさ
だけど、君とリボーンの考えでわからない事があるんだけど」
「なんです?」
風は首をかしげながら見つめると、マーモンは少し言いづらそうに口ごもる。
「...男同士で性行為をするのに躊躇しないのかい?」
「え?」
「だって女性とは違って男である僕はそういう箇所がないわけで、やるとしたら...」
「...ッ...ふふッ」
「なんだよ、なんで笑うのさ」
マーモンの言葉にきょとんとしながら聞いていた風は小さく吹き出して"クスクス"と小さく笑い出す。
そんな風を見てマーモンは少しムッとする。
「いえ、少しおかしくて」
「僕は真剣な話をしてるんだ」
「それよりも、貴方にそのような知識があるとは...
性に関しては無知なのかと思っていたので
もしかして、私とそういうことを致すためにわざわざ調べたんですか?」
悪戯気な笑みをしながらマーモンに顔を近づけると"違うよ、馬鹿"と言いながら手で防がれてしまう。
「呪いが解ける前の時にベルと一緒にレヴィの部屋に入ったのさ
その時にベルが悪戯で男同士のDVDを置こうとしてね...興味本意で二人で見た後にレヴィの部屋一面にばらまいてきた」
「なんてことしてるんですか」
「その後、レヴィの部屋からすごい断末魔聞こえてきたなぁ面白かったです」
「いえ、私が気にしてるのはそこではありません
確かに軽くトラウマになりそうですが
私が言いたいのはベルフェゴールとそういうものを見ていたことに対してです」
「またそうやって目の敵にして...僕の交友関係にまで口を出さないでほしいな
君のそういうところを見てると、付き合ったら束縛されそうで嫌なんだよね」
「う...そ、それはすいません
ですが」
「...はぁ...全く」
眉を下げて申し訳なさそうに謝る風を見てマーモンの口からため息が漏れる。
「風」
「なんで...ッ?!」
マーモンはジトリと風を見た後に胸ぐらを掴んで引き寄せると勢いのまま唇を重ねる。
驚きのあまり風が目をぱちぱちとさせていると唇を離したマーモンは風の頭に手を伸ばして優しく抱き締めた。
「あ、あの...マーモン?」
「両思いになる前はあんなに強気できていたのになんて様なんだい?
見てて笑えるね」
「...笑われるのも無理はありません
貴方が私のことを嫌いなときは振り向かせるにの必死であまり深くは考えていませんでしたから」
風はマーモンを抱き締め返し胸板に顔を押し付ける。
「...私も貴方と同様に怖がりなのかもしれませんね
今こうして貴方と思いが通じ合い、幸せには感じるのですが以前のように嫌われないか、他の人にとられてしまうのではないかと心配で気が気でないのです」
「ふぅん、君は僕の気持ちを疑ってるってこと?」
「...」
「ごめん、今のは意地悪すぎたね」
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