過剰摂取
「…身体に不調でもあるのか?」
ヴェルデはキーボードを叩いていた指を止め、立ち上がりマーモンの座っているソファーへと腰掛けて顔をジッと見始め、マーモンは問いかけに顔を横へと振った。
「いや、まぁ…不調…不調はあると言えばある」
「糖分摂取のし過ぎか、はたまた運動のしなさ過ぎか…」
「人を生活習慣病みたいな言い方、やめてくれる?」
「久々に訪れて、そんな話をする貴様が悪い
あぁ、いや…この前の集会で言葉を交わすことはなかったが一応見かけたな
いつもなら早めに来ている貴様がギリギリまで来ず、風と一緒に来ていたようだが」
この前の集会…リボーンに襲われかけたやつか…。
ほんっと、油断しないように気をつけ…。
"ならば...これから行うことが、もし嫌だった場合は拒否してくださいね"
「おい、どうした?顔が赤いぞ」
「…な、なんでもない」
ヴェルデからの指摘にマーモンはハッとしてフードを深く被り直して赤く染まった頬を隠す。
すると、ヴェルデはなにかを察したのか"あぁ…"と声を漏らした。
「おめでとう、とりあえず祝いは金のほうが喜ぶだろう?」
「なんの祝いだ、なんの」
「風ととうとう付き合うことになったのだろう?
金一封でいいか?」
「なんで風が…」
「…話を戻すぞ
とりあえず、なぜ病気かもしれないと思ったのか教えてくれ
自覚症状があるなら、下手すれば深刻な事態になっているかもしれないからな」
「自覚症状…」
ヴェルデは一度立ち上がり、先ほど自分がいたデスクに近付くとバインダーと紙を用意し始め、マーモンは自分の身体に出てきた症状を考え始める。
「ちなみに、私は医者ではないから正確な診断はできない
こういう病気だな、という推測程度だ
なので、きちんと病院で検査をすることを勧めておく」
バインダーを手にして再びソファーへと戻ってきたヴェルデはそう言いながら座り、早く言えと言わんばかりの視線にマーモンは口を開きだす。
「…不調…と言ってもいいのか分からないんだけど…
最近、胸?心臓あたりが変で」
「胸…なにか強い衝撃を与えたとか、そういうことは?」
「ないかな」
「ちなみに、変とはどういう感じだ?
痛みがあるとか、心拍が早いとか」
「うーん…心拍早くなったり…なんか…キュッて…苦しいような…?」
「それ以外に何か症状は?」
「あと…あとは…あ、なんか体温高くなる感じがするんだよね
カァッて、一気に上昇するような
症状としてはそのくらいかな」
「ふむ…胸、ということで当てはまりそうなのは不整脈か狭心症、心不全…あとはストレスや過労、といったところか
常にその症状があるのか?」
「いや、ないよ
特に特定した環境は…あ…」
淡々とヴェルデからの問診に答えていたマーモンだったが、思うところがあるのか声を漏らす。
…そういえば…そう言われると…。
「なんだ?なにか思い当たる節でもあるのか」
「いや…うん…関係あるのか分からないんだけど…
その症状が出る時って、いつも…」
「風がいる時なんだよね」
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