複雑すぎる僕の思考
「2週間の長期任務?」
「そうだぁ」
スクアーロに相談があると言われて部屋に訪れたマーモン。
言葉で簡単に伝えた後、スクアーロは手にしていた書類をマーモンへと手渡し、マーモンはその書類の内容を確認し始める。
「珍しいね、長期任務なんて」
「今回は偵察が目的なんだ
偵察なら俺やベル達じゃなくて術士のお前の方が適任だろうと思ってな」
「主に欲しい情報は?」
「ファミリーの構成人数に総資産、あと機密情報とか諸々」
…ん?
スクアーロの言葉に引っかかったマーモンは、見ていた書類を注意深く読んでみる。
本来ならば書いてあるであろう、スクアーロが言った欄が埋まっていない。
「…ほぼ全て調べてこいって事じゃないか」
「それが偵察ってもんだろ
術士数人連れていって2週間で調べてきて欲しい」
「2週間あれば大丈夫そうだ、なら入れ替わる人物とかも考えておかないとか...」
「細かい所はお前が決めて勝手にやってくれて構わねぇ
ただ、へまだけしなけりゃな」
「フンッ、僕がそんなへまするわけないだろう?」
「そりゃ心強いな
わりぃんだが3日後からいいか?なるべく早く情報が欲しい任務なんでな」
「急だな…」
マーモンはチラリとスクアーロのデスクに溜まっている書類の山へと目を移し、小さくため息をついた。
「…もしかして、これ締め切り間近なものじゃ…」
「…下の方にあったから分からなかったんだよ」
顔をそらし、気まずそうなスクアーロを見て再度ため息が漏れ出てしまう。
仕方ないから、この量の書類整理を1人でほとんど1人でやってるをだし。
たまに僕も手伝ったりするけど、最近は出来てなかったからなぁ…。
「...まぁ、いいや
詳細が決まったらまた君に伝えに来るね」
「わりぃが頼むぜぇ」
「あぁ、それに長期任務なんて早々ないからね
ベルのお守りをしなくて済むのなら任務の方が楽だし」
「ははっ、そりゃ言えてらぁ!」
マーモンの言葉にスクアーロは吹き出しながら答える様子を見てマーモンも思わず笑みを浮かべながら部屋から出ていった。
...さて、と。
書類を見つめながら廊下を歩いて自室へと向かっていく。
長期任務かぁ、久々だな。今回は偵察だけだから楽でいいけど、情報収集がめんどうだな。
どの役職の人物と入れ替わるか、とか決めとかないと。
「2週間...2週間..…ムム?」
ということは...。
マーモンはふと歩みを止めた。
---あいつと2週間、会えないってことか...。
「ッ!」
マーモンは風の顔が脳裏に浮かび上がりぶんぶんっと勢いよく顔を横に振って歩き出す。
いやいやいや、そりゃあいつに会えないのは寂しいけどそれはあくまでも、あくまでも!お菓子が食べられないからであって、風に会えないのが寂しいとかそんなんじゃない。断じて。
確かに、あいつと一ヶ月会えなかった時はまぁ…寂しくて…思わず飛び出しちゃったけど…。
小さくため息をつきながらマーモンは自室の扉を開いて中へと入る。
「お帰りなさい、マーモン」
扉の近くでスタンバイしていたのか、風の姿が視界に入り両手をバッと広げてマーモンを見つめている。
「...」
いつもと変わらない様子の風をジッと見つめた後にマーモンは風へと近寄ってギュッと抱きついた。
「?!」
いつもならば自分の横をスルーしてお菓子を催促するマーモンが突然抱きついてきたので風は驚きのあまり固まってしまい、少ししてからハッとして背中に手を回して優しく抱き締める。
「...マーモン、どうしました?」
「...え...?」
抱き締められた感覚に気持ちよさを覚えていると上から声が聞こえてきて顔をあげる。
そこで自分が抱き付いたことに気付いて"カァァ"と頬を赤くしていく。
「あ、ご...ごめん...つい」
「いえ、私としてはいいんですよ
なんでしたらもっとぎゅーしましょうか?」
「ッ...ムム...い、いや、でも...」
「遠慮はしなくていいんですよ?さぁ、私ともっとぎゅーを」
マーモンは風を見つめた後に視線を横へと移動させながら言いづらそうに口を開いた。
「...だって君...あまりくっつくと勃○するじゃないか...」
「...」
「...なにか言ってよ」
「いえ...マーモンの口から勃○という言葉を聞けるとは...今興奮してします」
「しないで」
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