手に入れたいもの
「えっと、マーモン?」
思っていた行動とは違う様子のマーモンを見て風は声をかける。
どうしたのでしょうか、マーモン。
いつもでしたら、スンッと澄ました表情で私を見て、すぐに"退いて"と声をかけてくるのに。
それに、顔も赤く…。
「...なに」
マーモンはグイッとフードを引っ張って深く被りながら返事をした。
「せめてお顔を見せてくださいよ」
「嫌だ、無理」
「無理ではなくて、まぁ...いいです
これから私のすることに抵抗してみてくださいね?」
「...風」
「なんでしょう?」
そっとマーモンの頬へと手を伸ばして触れた時にふと名前を呼ばれる。
「...今から言うこと、笑わないでくれるかい?」
「えぇ、もちろん」
「...本当に?」
「当たり前です、約束しますよ?」
「...あのね、風」
マーモンは風から顔をそらし口許を手で覆い隠しながら口を開く。
「...リボーンの時は嫌だったんだけど...君に今、こうして押し倒されて...見下ろされて...僕はその...悪い気がしないんだ...けど」
「...えっ?」
「き、君がいつも必要以上に触れてくるからかもしれないけど…なんか、もう…嫌とかなくて…えっと…その…」
「…」
「...これは...どういうことなんだろうか...」
風は発せられる言葉に目を見開きながら見つめていると、マーモンに困ったような表情をしながら視線を向ける。
にやけそうな口元を必死に抑えながら風はマーモンへと顔を近付けた。
「ならば...これから行うことが、もし嫌だった場合は拒否してくださいね」
「あ...あぁ...」
ガチャッ。
「おーぅ、お前らー!このスカル様が来てやっ...」
唇同士が触れそうになった瞬間に突然扉が開かれたと思ったらスカルが勢いよく中へと入ってきて風とマーモンの体制を見てピタリと動きを止める。
「え、お前らなにやって」
「...」
「ひぃッ?!」
風がスカルに顔を向けてにっこーと笑みを浮かべるとなぜかスカルは怯えたような声をあげ、風はマーモンから離れて立ち上がるとスカルの元へとスタスタ歩いていき首に手刀を食らわせて気絶をさせた。
「...あ、あの...風?」
マーモンは上体を起こして倒れてしまったスカルを見ていると、風はスカルを脇に抱える。
「…そろそろ始まると思いますので行きましょうか」
「そ、そうだね」
「...あぁ、でももしリボーンと会うのが嫌でしたらここで待っててくださっても大丈夫ですよ?
ユニには私から適当に理由をつけて言っておくので」
「いや、流石に出るさ...それに、なんかリボーンに負けた感じがして嫌だし」
「ふふッ、貴方らしいですね」
いつもの調子を取り戻したマーモンを見て風は笑みを浮かべながら部屋から出ていきマーモンも後に続いて部屋から出る。
「風」
「なんでしょう?」
「その...あ、ありがとう...」
「お礼なんていいですよ、私がしたくてしてるわけですし
さぁ、他の方も待ってると思いますし行きましょう?」
「…うん…そうだね」
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