手に入れたいもの


「また君はそういう冗談を」

「冗談じゃねぇよ、今回は」


ため息混じりに言うマーモンにリボーンは珍しく真剣な声色で言いピクリとマーモンは反応を示す。


「…いやいや、あり得ないだろう?」


確かに、こいつは風と同様に僕のこと初対面の時に女と間違えていた。
(その後は身ぐるみ剥がされそうになって確認されかけたのを死守したけど…)

だけど、その後は特にそういう恋愛とか愛人になれとか、そういう話は出てこなかったし。

それなのに、なんで今さらそういう事を…。


「お前と一緒で、あの任務以来お前のことが忘れられねぇんだよ
というわけで責任とれ」

「あの時…」


前の任務の時、不意をつかれてされたキス。
確かに、僕はあのキスが忘れたくても忘れられなかった。


…だけど、その理由は…。










風、脳裏に過ったからだ。












「…なんで僕がそんなことしなきゃいけないんだよ
第一、人に勝手にキスしといてその挙げ句にこんなことまでして...そんなんで僕が君になびくとでも?」

鼻で笑いながらリボーンにそう声をかけ、腕にグッと力を込めるもやはり微動だにしない。


…さて、どうしたものかな。
僕としては、あまり事を荒らげたくない。
幻術…使うのが一番いいんだろうけど、さっきので少し冷静さを欠いてしまってる。
なんとかこの状況を伸ばして、頭を冷まさないと…。


「ふはッ、だろうな」

「なら」

「だからこそこういうことをしてんだよ
お前が俺の事を嫌っているのは百も承知だからな」

「...君、まさか」

リボーンの発言にマーモンは嫌な予感が走り、嫌な汗が頬を伝い、恐る恐る視線を向ける。
その視線に気付いたリボーンはニヤリと口角を上げた。

「流石のお前でもここから先の展開は読めてるようだな」

リボーンはバッとマーモンのローブを捲りあげて素肌を晒すと指でなぞる。

「あ、お前本当に男なんだな
胸がねぇし胸板うっすいな...」

「ひッ...」

胸板をジッと見つめながらまさぐっていると、以前の任務時についた傷跡が微かに残っておりリボーンは瞳を細めて傷跡に触れる。

「も、やめろよ...ッ...僕こんなことしたくな」

「ここの傷、まだ残ってんだな」

「は...ッぁ?!」

傷跡に触れポツリと呟くリボーンの言葉に反応をして顔を向けようとするも傷跡に舌が這う感覚が走りビクッと体がそれ、上擦った声が上がった。

「ちょ、や、やめ、あッ!」

ピチャピチャと唾液の音が部屋に響きマーモンは止めさせようとリボーンの頭に手を置いて押そうとするも突然胸の突起に噛みつかれて甲高い声を出す。

「お前、本当に女みたいな反応するな
男にしとくのは勿体ねぇよ」

マーモンの反応にゾクリと背筋を震わせ低い声で言うとそっと下半身へと手を伸ばしていく。

「や、めろッて!さわんな、ばか!!」

「大人しくしとかねぇと痛い目合うぞ?
痛い目に合いたくなけりゃ」










「なにをしているんですか?」

「「ッ!!」」

マーモンのズボンへと手をかけるとリボーンの背後から風の声が聞こえて二人はバッと声のする方へと顔を向ける。
風は真顔でリボーンの背後に立っており、目が合うとにこりと微笑んだ。

「困りますねぇ、ここは今日の集会の会場のはずですが?」

「...なら、俺達が場所を移動すりゃいい話だな」

そう言いながらリボーンはマーモンの上から退くとマーモンの腕を掴もうと手を伸ばす。その手をパシッ!と勢いよく風は払いのけてスッとリボーンとマーモンの間に立った。

「いてぇな、なにすんだよ」

「それはこちらのセリフですよ、私がいない間に好き勝手をしてくれましたね」

「別にお前のものじゃねぇだろが」

「ですが、マーモンは嫌がっていますよ?
合意の上でなら私はなにも言いませんが...」

風はマーモンを一瞥した後に再びリボーンへと目をやる。

「合意の上、というわけではありませんよね?」

「...チッ」

二人はしばらく黙りこんだまま視線を交え、リボーンは小さく舌打ちをすると風から顔をそらして空いているソファーへと腰かけた。

「せっかくお前のいない間に食おうとしたのにな」

「おや、それは残念でしたね
マーモンを貴方に譲る気はないので
とりあえず...マーモン、立てますか?」

「...大丈夫」

二人の様子を見ていてずっと黙っていたマーモンに風は声をかけながらスッと手を差し出す。
マーモンは差し出された手から目をそらし衣服の乱れを簡単に直すと風の手を取らずに自分の足で立ち上がるとフードを深く被り直してタタッと部屋から出ていった。

「...リボーン、とりあえず貴方への処遇は後程
今はマーモンの方が優先なので」

「そうだな、もしかしたら俺に犯されてるかもしれねぇし確認しとけよ」

リボーンに対する怒りを押さえ込みながら声をかける風に向かって挑発するような口ぶりでリボーンは言う。
その言葉を聞いた風はタッと地面を蹴ると一瞬のうちにリボーンの元へと移動をしてピタリとリボーンの右頬に蹴り上げた足を止めた。

「おいおい、マーモンの方行かなくていいのかよ?」

「...今度このような事があったら、同じアルコバレーノだろうがただでは済ませませんよ」

「そりゃ、楽しみだな」

怒りを露にする風とは反対に鼻で笑うリボーンを見て風は足を下ろすとスタスタとマーモンの後を追うために部屋から出ていった。










「おーこわ...あいつ俺の事やる気だったな、今の」










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