口から出せないこの感情
「…なぜ、僕の事を呼び出したのですか?」
マーモンがメニュー表を眺め何をするかを決めている最中、目の前に座っている骸が腕を組みながら問いかけてきてマーモンは視線を骸へと向けた後にすぐに視線をメニュー表へと戻した。
「この前のお礼、してなかったからね」
「…お礼…あぁ…3日前の」
3日前。
ジャッポーネに来た時に一時的にとは言え骸と手を組み、少し振り回してしまった事に対しての礼。
骸は思い出したように呟いた後、"クフフ"といつもの独特的な笑みを零した。
「あのときは利害が一致していましたのでお気になさらず
それに、僕も恭弥の事を探していましたから」
「君に借りは貸したくないんだよ、面倒そうだからね」
「失礼な」
「あと、この前ここを通り過ぎた時に美味しそうだと思ってたんだよね…パフェ」
メニュー表に乗っている写真に写る数々のパフェ。
それを見ながら骸へと言葉を返すと、なにやら視線を感じて視線を骸へと移した。骸はジトリとした目付きをし、なにやら言いたそうだった。
「なに?」
「いえ…貴方、お礼云々は二の次でしょう?」
「…はい、僕は決めたから君も決めちゃいなよ」
骸の言葉をスルーしてメニュー表をパタンと閉じた後に骸へと手渡すと、渋々と言ったように骸はメニュー表を開いて中を見る。
しかし、しばらく眺めていると"ほぅ…"と声が聞こえてきた。
「これは…美味しそうですね、種類も豊富ですし」
「でしょう?」
「…ちなみに、貴方はなににお決めで?」
「チョコレートパフェ、マカロン乗ってるやつ」
「なるほど…なら僕はフルーツパフェにします」
「あ、そっちも美味しそう」
「ならシェアしましょうか、僕もそっち気になってましたし」
「いいよ、ならそうしようか」
テーブルに置いてある呼び鈴を鳴らすと、すぐに店員がやってきて2人は自分の注文するものを口頭で伝え、聞き終えた店員はテーブルから離れていった。
店員が去ってから特に話題もなく、2人の間に沈黙が流れる。
…3日前。
なぜか雲雀恭弥を探していた骸と、雲雀恭弥と一緒にいるであろう風を探していた僕は一時的に手を組むことにした。
結果的に、骸は雲雀恭弥を、僕は風と会うことが出来た。
しかしその後、僕が雲雀恭弥の飛び道具に当たってしまい、気を失ってしまったその間に、骸とはそれきりになってしまっていた。
あの時、結構我を忘れて風を探してしまい骸に迷惑をかけてしまったと思ったから今日はこうしてお礼兼、迷惑代として喫茶店に連れて来たわけだけれど…。
別にこいつと親しくないのに、なんで来ちゃったかなぁ…。
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