君のいないこの時は
「…さて」
予約していたホテルにチェックインを済ませ荷物を置いたマーモンは、並盛町の中を探索し始める。
確か、雲雀恭弥は並盛中の生徒だったはず。
今日は平日だから生徒は学校にいる…ということは、風の事を探すのであればそこに行くのが最善だな。
並盛中はリング争奪戦の時に行ったことがあるから場所は覚えている。
本当なら、幻術でひとっ飛びだけど…この町にはリボーンがいるからな…変に勘付かれるのはめんどうだ。
「…今回は幻術を控えめに行動を」
「…おやおや、これは珍しい人がいるものだ」
「!」
不意に背後から聞こえてくる聞き覚えのある声。その声にマーモンはピタリと歩みを止めた。
…この声…そういや、牢獄から解放されてたんだっけ…。
代理戦の時も、クロームの肉体を借りずとも参加していたし…。
マーモンはゆっくりと振り返り、自分に声をかけてきた人物を視界に捉えた。
「やぁ、六道骸…会いたくなかったよ」
「クフフ…随分なご挨拶ですね…マフィア風情が」
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