君のいないこの時は
「…着いた」
大体1週間分の荷物が入ったスーツケースを引きながら疲れたように息を吐いた。
昨日、無理言ってスクアーロに1週間休みをもらってジャッポーネに今着いた…やっぱり、イタリアからだと遠いな。
幸いな事に、術士が必要な任務ではなかったので他の幹部に押し付けることに成功。
その分、後日から代わりにその任務に出なきゃいけないけど、そのぐらいどうってことない…。
「…なんで僕、こんな事してるんだろ…」
不意に頭の中が冷えてきて自分の行動力のすごさに頭を抱えて近くのベンチに座り込む。
風が戻ってこないからって、まさかここまで行動するとか馬鹿げている。
昨日の僕を殴ってしまいたい。
…そう、これは僕の毎日のおやつの為…あいつを探しに来たのはおやつの為だ。
そう言い聞かせながら立ち上がり、道を歩き始める。
「行きに1日使って、帰りにも1日使う…そうなると、滞在時間は5日間…」
僕の能力があれば、5日間で容易に見つけられる。
「とりあえず、ホテルに荷物を置いて…そこから考えるか…」
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