君のいないこの時は
「…なるほど、それは彼にとってはいい条件だね」
話を聞いたマーモンは納得した表情を浮かべ、プリンをスプーンですくって一口食べる。
「ん…彼の戦い好きはスクアーロからよく聞いていたから、納得」
「なぜスクアーロが出てくるのですか?
彼は無関係だと思うのですが」
「跳ね馬からしょっちゅうその事について電話がくるみたいでね
スクアーロに代わりに戦うか?って誘いをしたらしいんだ
剣使いじゃないからって断ったそうだけど」
「剣使いなら受けて立ったということですか…
まぁ、そういうわけで私は雲雀恭弥との戦いのために1週間程留守にします」
グッと下唇を噛み締めて名残惜しそうな表情を浮かべだす。
その様子を横目にプリンを食べ、マーモンは天井を見上げた。
「1週間、ね…」
風が僕の所に通い続けてもう結構経つ。
1週間に6日間も来ており、最初の頃は鬱陶しかったが、今となっては彼がいない方が違和感がある。
「マーモン、寂しいですか?」
ひょこっと顔をのぞかせてくる風を、マーモンはジッと見返した。
1週間、風がいない生活…か…。
…別に、いてもいなくても変わらないのでは?
そもそも、赤ん坊の時の生活に戻るだけだし。
「いや、別に寂しいとかはないさ
むしろ、それが普通というか」
「…」
"うーん"と考え口にした言葉に、マーモンは"あ"と小さく声を漏らしながら風にチラリと目をやる。
こういう風に言うと、大抵こいつの場合…。
"強がらなくてもいいのですよ、マーモン
私がいなくて寂しいのは仕方ありません、しかし云々"
…てな感じになってし…。
「…まぁ…そうですよね」
「え?」
風の口からポツリと聞こえてきた言葉に、マーモンは驚きの表情を浮かべる。
すると、自分の言った言葉にハッとした表情を風はしてスッと立ち上がった。
「…すいませんマーモン
本日は日本に行く準備がありますので失礼します」
「え、あ…ちょっと!」
風のようにサッと動き、窓からそのまま去っていく風の後を追い、慌てて窓へと向かって外を見るもすでに姿はなくなっていた。
"…まぁ…そうですよね"
…あいつ…なんか変だったな。
窓をゆっくりと閉め、ソファーに向かいながら先ほどの様子の風を思い浮かべる。
いつもならもっと、自信に満ち溢れているのに今日はなんか大人しかった…いや、違うな。
「…リボーンとの任務の後から、あいつの様子はおかしかった」
以前、リボーンの任務に付き添いに行った日。
帰ってきた僕が副作用で熱を出した時に、ヴェルデから解熱剤をもらってきてくれた風はいつもよりも元気がなかった。
なんでかわからなかったからソッとしておいたけど、それが今日まで続いている。
「…いや、考えてもわからない」
僕は風じゃないのだから、思考が読めない。
それならば、あいつが帰ってきた1週間後に問いただせばいいこと。
「…って…なんで僕が、あいつのこと気にかけないといけないんだ…」
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