お前に捧げる俺の(  )


「今日は付き合わせてすまなかったな」

無事に館から脱出したリボーンとマーモン。
ヴァリアーアジトへと到着をすると、2人は車から降りて門の前で会話をした。

「別に、報酬は前もってもらっていたからね
特に何もしていないけど、あれだけもらえるのなら楽な仕事だよ」

「胸の怪我は早めに見てもらえよ
変な菌が入ったら後々に響くからな」

「…まぁ、ここは男に戻ったらにするよ
流石に女性もいないし見せるのは恥ずかしいからね
どうせ、あと数時間かそこらで薬の効果はなくなるだろうし」

「それなら俺が見てやろうか?」

マーモンの胸を見つめながら手を伸ばすリボーンの事をマーモンはサッと避けて距離を取った。

「結構だよ、また変なことされたらたまったもんじゃないし
送ってくれてありがと、それじゃ」

パシッ。

「ムムッ?」

ひらりと手を振りながらアジトの中へと入ろうとしたマーモンだったが、不意に腕を掴まれて動きが止まってしまう。
何事かと思い振り返ると、リボーンが腕を掴んでマーモンを見つめていた。

「なに?まだなにかあるの?」

「…特別報酬でもやろうかなと思ってな
ちょっと来い」

「特別報酬?それなら喜んでもら…」

リボーンの言葉に少し表情を輝かせながらトトッと近寄ると、スッと顔が近づいて来て不意打ちで唇を重ねられた。
マーモンはビクッと身体を固まらせてしまい、目を見開きながらリボーンを見た後にバッと勢いよく後ずさる。

「...フハ、だから言ったじゃねーか
隙を見せるなってな」

「お、お前...ッ」










…あ。











マーモンは唇を腕で拭いながら顔をそらすとなにかが視界に入りピタッと再度動きを止めた。

「あん?どうし...」

動かないマーモンの視線の先を見てみると、そこにはマーモンを出迎えに来たのか笑顔でこちらを見つめている風の姿があった。










「リボーン...これはいったいどういうことでしょうか?」

「どういうこともなにも...こういうことだが?」

「...とりあえず僕は逃げ」

「そうやってすぐ逃げる癖はどうにかしないと行けませんねぇ...マーモン?」










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