お前に捧げる俺の(  )


マーモンがナイフを横に滑らせようとした瞬間に男性の頭が後頭部から撃ち抜かれ、ピシャッと血がマーモンの顔へとかかった。
男性はぐらりと身体から力が抜けたようにその場に倒れ込んだ。
頭部は吹き飛んでおり息をしていないことは確実だった。

「...来たのかい?リボーン」

扉の方へと顔を向けると銃を構えるリボーンの姿があり、マーモンは触手をしまいこむとつまらなそうに呟いた。

「せっかくいいところだったのに…残念」

「お前な...なにあっさり捕まってんだよ
探すの苦労したんだぜ?」

「それはすまないね、なにぶん考えごとをしていたのさ
停電を起こしたのは君かい?」

「あぁ、その方が闇に紛れてやり易いしこの部屋の前にも関係者がいたからな
それにしても...」

リボーンはマーモンへと近付くにつれてドレスが裂かれ、胸が露になっているのに気付き自分のジャケットを脱いだ。

「なんだ、ヤられたのか?」

「そんなわけないだろう、未遂だよ未遂」

ジャケットをマーモンの肩へとかけながら冗談混じりに言うリボーンに冷静に答えながらマーモンはギュッとジャケットを掴んで胸を隠した。

「すぐに幻術使えばよかったじゃねーか」

「そうしたかったのは山々だったけどね、君に幻術は控えるように言われていたし
この任務は君のものだから邪魔するのもなぁ、と」

「そのわりにはさっきターゲット殺そうとしてたじゃねーか」

「それは悪いとは思っているよ
だけど、ちょっと許せなくてね...」

「なにがだよ」

「...秘密」

口を開きかけるも少し黙りこんだ後に誤魔化すように言うマーモンをじっと見つめた後、リボーンはマーモンの両手首をがっと掴んでジャケットで隠れていた胸へと視線を移動させる。

「なんだよ、見るな変態」

「下心はねぇよ、お前怪我してんじゃねーか」

ジッと胸を見ると深くはないが切り傷があり、リボーンは瞳を細めながら見つめた。

「別にこのくらいどうってことないよ
血もそのうち止まるし」

「まぁ、傷もそんなに深くはねぇし止まりかけだな」

「だろう?だから離し...ひゃッ?!」

リボーンは胸へと顔を近づけるとそのまま傷口をぺろりと舐め上げた。
傷口に走る痛みとくすぐったさからマーモンは声をあげてしまう。

「ッおい馬鹿、やめろよ!」

「うるせぇ、消毒だ消毒」

「これが消毒になんて...ッふ...ぅ」

声を荒らげるマーモンに一旦胸から舌を離しそう言うと再び舌を這わせだす。
納得のいかないマーモンは再び文句を言おうとするが、再び来るくすぐったさに甘い声を漏らした。

「その声やめろよ、集中できねぇ」

マーモンの声に集中が出来ず上目で見ながら言うと、マーモンは涙目で口を押さえ始める。

「ぅ...ッむぅ...」

こいつ、わざと煽るようなことしてんのか...?

「...ほれ、終わりだ」

一通り舐め終えるとリボーンは口を胸から離してマーモンへと顔を向ける。マーモンは小さく身体を跳ねさせながらキッとリボーンを睨み付ける。

「おい、なに怒ってんだよ」

「...この...ッ...えっち」

「は...?あ、おいこら逃げんな」

マーモンの言葉に少し動きを止めてしまうもバッと背中を向けて先に窓へと歩いていくマーモンを慌てて追いかける。

「来るなよ、変態」

「マーモン」

「...今度はなにさ」

「お前、もしかして胸で感じてたのかよ」

「違う、断じて違う」

「嘘つけ、しっかしお前も可愛い反応するじゃねーか
初な反応しやがってよ、風とそういうことしてねーのかよ」

「あいつとはそういう関係じゃない」

「なら、キスも俺が初めてだったりして?」

「...」

ケラリと笑いながら頭の後ろで手を組んで言うとマーモンはなにも反応せずにすたすたと早足で歩いて窓から飛び降りていく。

「あ...まじかよ」

なにも反応しないマーモンを見てそういうことだと理解するとぽつりと呟くように言い、口許に手を当てる。
先程の反応と、キスをしたときの事がふと頭をよぎる。










あー....。










「...俺もあいつのこと言えねぇな、こりゃ」










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