お前に捧げる俺の( )
「...はぁ」
マーモンは女子トイレの個室から出て手洗い場で自分の手を洗うとふと顔を上げて鏡に映った自分の顔を見る。
本当、最近の僕は隙がありすぎるな。
先程リボーンにキスをされた唇を指でそっとなぞる。
まさかリボーンにキスされるとは...これは予想外。
...風にもキスされたことないのに。
「...いやいや、なんであいつが頭に浮かぶんだ」
自分の頭の中に浮かぶ風の姿にマーモンはぶんぶんと顔を横に振る。
本当にリボーンの言う通りだよ、まったく。
僕も気を引き絞めないとな。
ハンカチを取り出して手を拭きながらトイレから出る。
確かテラスは会場内から行けたよな。
「そこのお嬢さん」
「...?はい?」
ふと後ろから声をかけられ身体を向けると自分と同じ年くらいの男性に声をかけられた。
またさっきの奴等みたいなのか?
ここは適当にあしらってー...。
「なんで...ッむ?!」
男性が優しげな表情を浮かべながら近づいてきて、それに気をとられていると背後から拘束されて首もとになにかを当てられバチッ!と体に電流が走る。
ッ...くそ...スタンガンか...。
体が硬直してしまいそのままぐらりと前へと倒れ込みそうになると男性がマーモンを受け止める。
「お、まえ...ッ...」
マーモンが男性を弱々しく睨み付けるも男性は笑顔を崩さない。
やっぱり、僕は油断しすぎだ...。
そう思うマーモンの瞳はふと閉じられ、意識は手離された。
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